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【舞台挨拶レポ】映画『未来のミライ』細田守監督&上白石萌歌

『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』と、数々の傑作アニメーション映画を発表してきた細田守監督の最新作『未来のミライ』がついに公開された。公開に先駆けて、細田守監督と主人公・くんちゃんの声優を務めた上白石萌歌がTOHOシネマズ 天神・ソラリア館で行われた試写会の舞台挨拶に登場。その舞台挨拶の模様をレポート!

—作品がもうすぐ公開されますが、今の気持ちは?

細田:5月にカンヌ映画祭で上映されて、日本公開より先に海外でお披露目するということは初めてだったんですが、やっと日本の皆さんに観ていただけるということで、今はとても緊張しています。

上白石:私もカンヌで初めて全編通して観たんですが、小さなおうちから始まる物語がなんて壮大なんだと感じて、これを早く皆さんにお届けしたいと思っていたので、ひと足先に観ていただけるのがとても嬉しいです。

 

—今作は4歳の男の子が主人公ですが、今回監督が描きたかったことやコンセプトはなんでしょう?

細田:自分のうちに小さい子どもたちがおりまして、下の子が生まれた時に上の子が親の愛を生まれたての赤ちゃんに持っていかれたということで、凄く荒れまして。床を転がって泣いている姿を見て、「人間が生きていく上で愛情というものは大事だな」と実感して。でも、よく考えてみると、大人になってもずっと愛を得たり失ったり、それを繰り返して人生があると思うと、子どもだけの話に思えなかったんですよ。自分たち含め大人もそう生きていくんだと思うと、皆さんにとっても同じなんじゃないかと考えて4歳の男の子を主人公にしました。

—監督自身の経験が反映されている作品なんですね。物語の中でくんちゃんのお父さんが育児でオロオロしてしまいますが、それらも監督の経験からでしょうか?

細田:そうですね、映画の中では星野源さんがお父さん役をやってくれているので、それも凄くコミカルで可愛らしいんですが、現代のお父さんは人生の中で育児もあって仕事もあって、夫婦の関係性もあって、迷いながらお父さんをしている…お母さんも同じようにそうだと思いますし。家族の中でみんなそれぞれ家族のあり方を見つけようとしているという懸命な姿を、映画の中で身近に感じられるように映ったらいいなと思って作りました。

 

—主人公のくんちゃんの声を担当された上白石さんは、4歳の男の子ということで、オファーを受けた時はどのような気持ちでしたか?

上白石:私はこの作品で声のお仕事が初めてで、しかもそれが4歳の男の子というのは自分の中でもとても大きな挑戦でした。最初は凄く戸惑ったりもしたんですが、くんちゃんの中に自分と同じ心の揺れ方があるような気がして、そういった部分を大事にお芝居をしました。

 

—今回、声優陣に豪華な先輩方が揃いましたが現場の雰囲気はいかがでしたか?

上白石:最初は凄く緊張しました。細田監督の作品って同じシーンはみんなで一緒にブースに入って声を録るんですけど、その空間が凄くアットホームというか、そこで生まれる生のお芝居がこの作品に良い生活感をもたらしていたらいいなと思いました。

—上白石さんは鹿児島県出身で、じいじ役の役所広司さんと青年役の福山雅治さんは長崎県出身で、さらにばあば役の宮崎美子さんは熊本県出身と、九州勢が多いんですよね。

細田:メインキャストの半分の方は九州出身なんですよね。なんで舞台は九州じゃないのか不思議なぐらいですが、そうやって見てみると表現力のある方が九州には多いんだなと改めて驚かされますね。その理由って、萌歌ちゃんはどんなところにあると思いますか?

上白石:凄く恐縮なんですが(笑)、小さな頃から自然に囲まれて過ごしたことって、知らず知らずのうちに自分のお芝居とか生活の中に影響しているんじゃないかなと思うことが結構あるので、環境とか美味しい食べ物とか人とか、そういったものってきっと大切なんだろうなって。

細田:俳優さんを育む土壌があるんでしょうかね?
上白石:九州の皆さんは凄くゆとりや豊かな心を持っているのかなと思います。

 

—最後に、ひと言ずついただけますでしょうか。

細田:ぜひご覧いただく時に皆さんの家族のことをなんとなく思い浮かべて、登場人物と照らし合わせていただくとより楽しめるんじゃないかと思います。4歳の男の子が主人公なので、自身の子ども時代のことも思い出したりとか、そうやって観ていただけるとより楽しめる内容になっております。とても夏休みらしい映画で、上映時間も100分を切る観やすい作品になっておりますので、最初から最後まで楽しんでいただければと思います。

上白石:この映画は4歳の男の子・くんちゃんが主人公で、そのくんちゃんの目にどれだけ美しい世界が映っているかとか、くんちゃんから普段は見落としがちななにかをきっと皆さん受け取っていただけると思います。観終わった後も物語がなにか続いていくような、そういった命の循環みたいなものを感じていただけると思うので、楽しんでいただければ嬉しいです!

©2018 スタジオ地図

●未来のミライ/大ヒット公開中
http://mirai-no-mirai.jp/

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