【福岡パン】糸島新店!有名シェフ絶賛!こだわりオーガニックブレッド!
今回は糸島の前原中央に今年の3月20日オープンしたベーカリーをご紹介!
地域をおいしい笑顔で結んでいく、昔ながらの豆腐屋のようなベーカリー。
人気ベーカリーの有名シェフから「久しぶりに感動するパンに出逢った」と教えてもらって以来、通い始めたパン屋がある。
名前は『OKUZOE SEIPAN(奥添製パン)』(糸島市前原中央1-5-43)。
場所はJR筑肥線筑前前原駅から徒歩数分。
老松神社の斜め向かいにある一軒家の1階。
近くには昔ながらの商店街があり、人の温もりが感じられる穏やかな雰囲気のまちだ。
営むのは、糸島の風土とこの場所に魅了され移住してきた奥添夫妻。フランスや神奈川で経験を積んだ夫の朋弘さんがパンをつくり、妻のティナさんと一緒に夫婦で店を切り盛りしている。
『奥添製パン』提供されているのは小麦・塩・水だけで作られたシンプルなパンのみ。
粉の種類違いでたまに増えることもあるが、基本メニューは6種類。
メニュー札にはパンの説明と使用した小麦粉の名称や製粉所を明記。大きなパンは1/2、1/4など注文に合わせてカットしてくれる。
ちなみに有料の紙袋もあるがマイバック、エコバックの持参を大歓迎。
私は急遽立ち寄ったため持参してなく、余っていた小麦袋に入れていただきました。
なんか、パン好きにはうれしいこのもぎたて感。今度からこれをマイバックにしようかな。
夜明け前から作業にかかり、8時の開店時には全てのパンが並び、営業時間は13時まで(13時前でも売切次第閉店)。
朝早くからエコバッグや袋を携えた常連客が入れ替わり立ち替わりやってきては、品定めをしながら世間話を楽しみ、お目当のパンをホクホク笑顔で手にしては店を後にする。
奥添夫妻が理想に描いているのは、以前フランスでめぐり合った昔ながらのパン屋だ。
信頼する生産者と製粉会社から小麦を仕入れ、小麦・塩・水のみで作られたシンプルなパンで、長く地域に愛される美味しさを提供する店。日本で例えるとまちの風景やお客さんの日常に溶け込んだ「昔ながらの豆腐屋さん」。そんな感覚で「通ってもらえたらうれしい」と語ってくれた。
その基本にあるのが「顔」が見えるコミュニケーションだ。
生地を捏ねてから焼き上げまで全てが見渡せる店内もそんなコミュニケーションの一つ。
売り場は1組み入ればいっぱいと狭小スペースでの対面販売だが、でもその分じっくりパンと向き合ってもらいながら、「この間のあのパンおいしかったけん、仕事前に買いに来たっちゃん」「〇〇さんならこんな食べ方もきっと好きと思うよ」と会話が楽しめる。
提供できる品数やパンの数は少ないが、地域をおいしい笑顔で結んでいく、おいしさ以上の魅力でいっぱいだ。
少ないけど奥が深い。食卓の真ん中に置きたいこだわりのシンプルブレッド。
お昼前に来店したこの日、購入したパンがこちら。
『COUNTRY SOUR(カントリーサワー)1/4』(1/4 325円、ハーフ650円、ホール1300円)。
ルヴァン種を使用。クラスト(外皮)の濃いゴツゴツとした焼き目に反して、クラム(中身)はびっくりくらいふんわり、しっとり。酸味と旨味のバランスも絶妙。
そのままでも、チーズやジャムをのせても、どんな料理にも合うので食べ方をいろいろ試して見たくなる。そんな包容力豊かなパンでした。
再現性も保存性も高いので、安心して大きなサイズを購入あれ。
『COUNTRY MILD(カントリーマイルド)』(1/4 500円、ホール2000円、ハーフ1000円)。
レーズン酵母由来の噛むほどに味わい深いコクとほのかな酸味。
個人的にはちょっとトーストして、味噌汁とか発酵食品を使った食事と一緒に合わせると止まらなくなる味わいでした。
『BAGUETTE(バゲット)』(ハーフ180円、ホール390円)。
噛んだ瞬間広がるサワードウならではの柔らかな酸味と風味。
生地が溶けていくうちに顔を出すほのかな甘みが特徴的な逸品。
『CIABATTA(チャバタ)』(ハーフ200円、ホール400円)。
ここの日はスペシャルメニューとして出されていた、大麦バージョンのチャバタを購入。
チャバタらしいもっちりクラムと、サワードウの軽やかな酸味が味わえます。
イタリアの食事パンだけに、オリーブオイル系の料理にベストマッチ。
『RAISN&OATS(レーズン&オーツ)』(Sサイズ250円、Lサイズ750円)。
唯一、具材入りなのがこちら。
レーズンとオーツ麦をふんだんに練りこんだ、ジューシーな味わい。
そのほかの定番メニューは全粒粉100%の力強い味わいが特徴の『WHOLE WHEAT100(ホールホウィート100)』(ハーフ500円、ホール1000円)。
レジカウンターでは犬用クッキーやクルトンなども販売。
『CROUTON HERB SALT(クルトンハーブソルト)』(250円)。
クルトンも日替りで3種類あり。スープ、サラダ、シリアルにもってこい!……と言いつつ、ちょっとのはずが、そのままポリポリとおやつに平らげちゃいました。
『DOGGY BISCUIT(ドギービスケット)』(500円)。
奥添夫妻が愛犬のために作った、酵母のみで焼き上げた酸味とカリカリ食感が強烈な犬用ビスケット。個人的にはその酸味が洋酒に合うので、大人のおつまみとして愛食しています、ワン!
『SALT(ソルト)』(50g100円)。
スープ、サラダ、シリアルにもってこいのクルトンも日替りで3種類あり。
奥添夫妻と旧知の仲であり、現在福岡で開業準備中の『olsen』郷田シェフ(宗像市出身)お手製のディップ『ひよこ豆と米こうじのカレーペースト』(1500円)。
『olsen』(Instagram @olsen_goda)恐るべし! パンにつけて食べるのはもちろん、スープや煮込み料理に入れたり、焼き物のソースにしたりと重宝する一品。
これを少量、さっとひと味たすだけで、プロ仕様のスパイシーごちそう料理に早変わり。辛さは一切なく、クセになる心地いいスパイス感。
個人的にはパンや焼いた肉や魚に塗るのはもちろん、ナスの煮物の残り物に加えて“スープカレー風”にして、めちゃハマってしまいました。
日々の糧となるパン屋から広がる「穏やかな暮らしの輪」。
『奥添製パン』の店先にはこんなボックスが置かれている。
このボックスを通して、地域の人が繋がっていくきっかけになればとティナさんが設けたお手製の図書箱。
興味がある本を自由に持って帰って、また今度来るときに返したり、別の本を入れたり。
パンの買い出しのついでに、この小さな図書箱を通して、地域、家族、身近な衣食住とつながる、新しい扉を開いてみてはどうだろうか。
店の入口横には開店祝いでプレゼントされた、小麦の収穫風景を描いた夫妻お気に入りの絵画が飾ってある。
「私たちのパンが誰かの日々の糧になるように、そして、パン屋という場を通してこの絵の中のような平穏な人の輪が広がっていったらうれしい」と奥添夫妻。
そんな二人の想いはもうすでにお客さんには通じているようで、現に二人が知っている糸島の情報の多くはお客さんから「知っておいた方がいいよ」と教えてもらったことばかり。
先日は向かいの老松神社で「たくさん取れたから」と梅をいただいたそうで、今度はそのお返しにと、夏にその梅を使ったジュースをサービスするべく、現在ティナさんが酵素シロップを仕込中なんだとか。
老松神社の青々とした木々を眺め、パンを試食していると「そう言えば、豆腐って昔は庶民の食卓の真ん中には必ずある、平穏な日々の幸せの象徴だったよな」なんて思ったり。
忙しく作業している夫妻とたわいない世間話をしていると、本当に馴染みの豆腐屋で買い物している気分になるから不思議だ。
OKUZOE SEIPAN(奥添製パン)
住所:糸島市前原中央1-5-43(老松神社前)
電話:なし
営業:火〜金曜8:00〜13:00、土曜8:00〜15:00 ※売切次第終了(※変更の場合あり)
定休日:日・月曜
Instagram @okuzoeseipan
掲載の内容は2021年5月取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HP・SNSやお問い合わせにてご確認をお願いします。