Fuku Spo – アビスパ福岡／ウォン ドゥジェ
ウォン ドゥジェ ディフェンダー・背番号6
相手の攻撃を止め、失点を防ぐことが役割
今のアビスパは22チームあるＪ２の中で、Ｊ１に昇格できる力が一番あるチームだと思います。そして、目標であるＪ１昇格に向けてみんなでがんばっています。戦い方の特徴としては、ゴールを決めることも大事ですが、それ以上に失点しないことを重視してプレーしています。そうした戦術のためにリーグ最少失点という結果が出ています。そんなチームの中で私の役割は、守備では相手のカウンターを受けた時にそのスピードを遅らせたり、止めたり、最終的には体を張って守ることですね。大学時代は守備があまりうまくなかったので監督に怒られることもありました（苦笑）。今でもまだまだ守備の課題がありますが、それを克服するために井原正巳監督をはじめコーチ陣もいろいろ教えてくれています。また、自分でも多くの映像を見て守備の勉強をしています。特にプレミアリーグのチェルシーでプレーしているエンゴロ・カンテ選手（フランス代表）のプレーを参考にしています。
始めたのが遅かったから、人一倍努力しました。
本格的にサッカーを始めたのは中学1年生になってからです。それまでもサッカーが好きでしたがチームに所属したことはなく、遊びでやっていただけです。ですから小学生の頃にサッカーを始めたチームメートに比べると足りないところがたくさんあったので練習をがんばりました。特に基本的なテクニックであるトラップやキックに時間をかけて練習していましたね。 高校3年の時に世代別の韓国代表に選ばれ、さらに漢陽大学の監督と出会うことができました。それが私のターニングポイントです。代表チームで練習をすると私以外の選手のレベルの高さに驚きました。代表のレベルを肌で感じてもっと練習が必要だと思いましたし、大学の監督からも多くのことを教わり、私がサッカー選手として大きく成長できたと思います。特に大学の監督からは、一人の人間として日常生活で大切にしなければいけないことも学びました。今の私のベースは大学の監督が作ったと言っても過言ではないと思います。その点はすごく感謝しています。
大学を休学してアビスパでプロサッカー選手になったことも私にとって大きな出来事になりました。プロ入りを決めた際、実はKリーグ（韓国のプロリーグ）のチームからも誘われていました。しかし、海外でプレーしたいという思いがあったので、信頼していた大学の監督に勧められたアビスパへの加入を決意しました。監督からは「新人らしく一所懸命に練習を続けて結果を出してほしい」と送り出されました。アビスパに加入して初めて日本のサッカーに触れたのですが、韓国のサッカーとはかなり違います。韓国ではフィジカルやスピードなど身体能力が求められることが多いと感じますが、日本では体幹の強さやバランス、そしてテクニックが求められるように感じます。
今はアビスパに加入して良かったと思います。サッカー選手としても一人の人間としてもすごく成長できていると実感していますし、多くのことを教えてもらっています。特にコンタクトプレーの部分が成長したと感じます。大学時代は激しいプレーは得意じゃなかったのですが、アビスパに来てからうまくなりました。今季の第4節・甲府戦でケガをしましたが、このケガから復帰したことでメンタル的にも成長できたと思います。試合に出たいと強く思ってリハビリに取り組み、トレーナーなどの手助けもあり、ピッチに戻ってくることができました。まだ100％とは言えない部分もありますがこれからもアビスパのためにがんばります！
今季は必ずＪ１昇格を果たし、サポーターと喜びたい。
昨季はＪ１昇格プレーオフに進出しましたが決勝で名古屋グランパスに敗れて昇格を逃してしまい、サポーターのみなさんの期待に応えることができませんでした。しかし、今季は必ずＪ１に昇格して来年はＪ１のピッチで躍動する姿を見せたいと思います。 日本のサポーターのみなさんはサッカーへの関心が高く、ホームのレベスタはもちろん、アウェイの試合にも熱心に足を運んで応援してくれます。それが私たち選手のパワーになります。特に試合中の疲れた時間帯や難しい展開の時はサポーターの応援がすごく力になります。いつも支えてくれているサポーターのみなさんを笑顔にし、Ｊ１昇格を一緒に喜ぶためにもがんばります！
編集部からのおまけ質問「行きつけの店、教えてください！」
東区奈多にある韓国料理の『パダ』に、ユ・インス選手や通訳のキム・ドンヒョンさんとよく一緒に行きます。日本人におすすめなのはチーズタッカルビとサムギョプサルですね。個人的にはピビンパもおすすめですよ。ランチで行ったらいつもピビンパばっかり食べています（笑）。日本食では、トンカツやパスタ、ステーキ、ソバはよく食べますよ。特に美味しいと思ったのは牛カツです。行列で有名な店ですが、私が行った時はタイミング良くて並ばずに入れました。ここもおすすめですよ。
※シティ情報Fukuoka 2018年10月号本誌掲載