【星和住研がつくった新築住宅】（北九州市）家族が集う大切な空間は本物の素材で極上の居心地を

2021年09月09日 公開

家族が集まるLDKを中心に、和室・子ども部屋・寝室を
回遊動線でスッキリとまとめたシンプルな間取り。
細部のディテールにまでこだわり抜いた平屋は、
普遍的で飽きのこないデザインだからこそ、美しい。

ダークグレイのシックなカラーと、洗練されたプロポーション。住宅地でひと際目を引く平屋建てのO邸は、二人のお子さんを持つご夫婦の念願のマイホーム。「最初は鉄の家がいいと思っていたんですが、展示場などでいろんな家を見ていると、木もいいなと思うようになって」と、Oさん。そこで訪れたのは、国産の木材を使い、職人の手による美しい木の家づくりで知られる[星和住研]。社長の河原さんと打ち合わせの際に、意気投合し、提案された平屋建ての計画に魅せられ家づくりがスタートした。

「一番のお気に入りはリビング」と語るOさんの言葉通り、自然光の印影が美しいリビングの居心地が格別。ダイニングチェアに腰かけると、東側のハイサイドライトの窓から遠くの山々が見え、空間の広がりを感じることができる。外の軒下には縁側、その先に土間と芝生の庭。外と中の空間がつながり、時間の経過や季節の移ろいを感じられる設計は、空間の「抜け」や「視線の先の見え方」にこだわる『星和住研』ならではの魅力だろう。

日が暮れると、間接照明やダウンライトが、穏やかな空間を創り出すという。フローリングにはタモ材、吹き抜け天井には杉の無垢材を使用し、その他の壁や天井は、珪藻土でシームレスに仕上げるなど、天然素材の質感も心地いい。

圧倒的な個性を放つキッチンが加わることで、空間が引き締まり、ぐっとスタイリッシュなLDKが完成した。陶器のようなマットな風合いのインテリアキッチンは、Oさん夫妻が一目惚れで選んだもの。食料棚や冷蔵庫などの目立つものは壁内に納めて、オーブンやポットなどはデザイン家電で統一した。大川を訪れて購入したというソファーやダイニングセット、食卓を照らすペンダントライトなど、インテリの一つ一つにもOさん夫妻のセンスが光っている。

デザインや素材、ディテールへのこだわりは外構にも及ぶ。例えば、吹付けで仕上げたダークグレーの壁は、ご主人が見つけてきた、とあるお宅を参考にしたもの。カーキがかった絶妙な色合いと、木製の玄関扉を用いたことで、暖かさが加わり洗練された印象に仕上がった。同様のカラーでまとめたウッドフェンスの木材はなんと『星和住研』の倉庫でご主人が自らペイントを施した。「実は雨桶の素材をガルバリウム製にしたくて、予算上仕方なく（笑）」。もちろん、安価なプラスティック製でも性能に問題はないが「良いものを見ちゃうと、グレードを落とせなくて」とご主人。「正直、雨桶なんてこれまで気にしたこともありませんが、神は細部に宿るとはこのこと。社長に言われて勉強になりました」。

『星和住研』の家は一棟に一人、大工の棟梁がつき、一本一本、木の個性を見極めて使う「手刻み」を行うため、現場を見て打ち合わせをしたり、変更したりすることも多かったそうだ。時には、社長と意見が食い違い、お互いに納得するまで話し合う一幕も。家づくりのプロと施主が本気でつくる家だから、作り手も住み手も、心底惚れ込む家ができるのだろう。「目の肥えたお客様に応えるには、本気でなければ駄目だ」と河原社長は言う。そこには、妥協がなく嘘がない。だからこそO邸のように、時が経っても古くならず、住むほどに味わいが増す美しい家が完成するのだ。