【福岡麺本2021】麺・スープ・具。究極の“三味一杯”を目指す職人が春日にいる 『ラーメン やまもと 春日本店』
古き良き風合いを残しながら
独自の豚骨ラーメンへと昇華
ラーメンは幸せを呼ぶ食べ物だ。
昨今の状況下、皆も改めてそう実感し、特に馴染み深い“いつものラーメン”への愛着が増していることだろう。流行に左右されることなく、地域にどっしりと根ざした店こそ強い。
春日市、筑前町の両地で営業する『ラーメンやまもと』は、そのような愛すべき豚骨専門店である。創業は1983(昭和58)年。ひたすらストイックにラーメン作りに向き合う山本雅彦さんは、今は亡き父から受け継いだ2代目である。
「懐かしい味と皆が帰ってくるシンプルな博多豚骨を突き詰めたい。それは完成されたクラシカルな製法をただ守るだけではなく、“より旨くなる”の信念で進化を加えることも大事だと思っています」。山本さんは父と共に作り上げた“王道をゆく味”の軸は決してブラさずに、さりげない“個性”をスープに溶かし込んできた。
「ご飯やパンと同じく、豚骨スープも“できたて”に勝てるものなし」が“山本流とんこつ”の考えだ。継ぎ足し熟成させることはあえてせずに、よりフレッシュさが立つ取り切り手法をとる。常に“できたて”のスープができるよう、営業中もサブ釜への着火のタイミングなどに気を払い、よりピュアにするためアク取りを徹底。
また、麺は一見、定番の細ストレートであるが、断面が角ではなく珍しい楕円形に加工されている。スープとの絡みを徹底追及し山本さんが福岡の老舗製麺所に特注しているものだ。
そのほか、チャーシューの豚肉、卵、塩などの素材や調味料もとことん厳選。シンプルなビジュアルの中にこだわりが詰まっている。
「ウチも、もうすぐ40周年を迎えます。振り返れば何よりお客様が、ラーメンの味、私自身の人間力とも磨いてくださいました。本当に感謝しています。これからも厨房に立ち続け、最高の一杯で恩返ししたいですね」と山本さんは話す。
ラーメンはあくまで“古の博多豚骨”にこだわりながら、昨年は山口油屋福太郎とタックを組んだ「豚骨風味のやまもとめんべい」を販売。今春は個包装で重宝する持ち帰りラーメンを発売するなど、革新的な試みにも意欲的だ。
[所]福岡県春日市下白水南1-8
[☎]092-573-8594
[営]11:00~21:00(OS20:40)
[休]木曜(祝日の場合営業。翌日休み)
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