【福岡麺本2021】名実ともにナンバーワン!長浜の“正統進化”を体感せよ『長浜ナンバーワン 祇園店』
創業50年の節目
2021年4月、飯塚に姉妹店も開店
すべては一軒の屋台から始まった。1971年(昭和46年)に創業した屋台『ナンバーワン』(2015年に閉店)。長浜屋台群の入口で、夜な夜な長蛇の列を作っていた光景を思い出す往年のファンも多いだろう。
まさに“史上最強の長浜ラーメン”。その味わいは、初代・竹中忠勝さんより二代目の現店主・種村剛生さんに継承され、福岡を代表する名店の地位をさらに確立していくこととなった。「私もかつてはオヤジ(初代・竹中さん)のラーメンに惚れ込んだ常連客の一人。屋台で修業させてもらっていた時代には、決して大袈裟ではなく年間360日食べに来てくれるお客様もいました。“日常食として飽きのこないラーメン”。店舗展開している今もこの原点はブラシたくない。古き良き屋台のように、その店のオヤジが顔となりお客様と向き合う。そんな愛すべき店を目指しています」と種村さん。
『ナンバーワン』は最新の飯塚店(2021年4月26日オープン)を含め現在7店舗がある。中でも、路面一号店となった祇園店(2005年開業)は屋台の雰囲気を残した特別な場所だ。
麺を大釜で泳がせ、すくう網は熟練の技を要する平ザル。丼ぶりは、懐かしさを感じる赤巻雷紋。そして、餃子も具を包丁で手切りし、一つずつ丁寧に手包み。使い込んだ鉄鍋で焼いている。種村さんにとっても原点回帰できる店である。
『ナンバーワン』スピリッツを見るようなこの祇園店でラーメンの啜る。
スープはまろやかさを感じる濃度で口当たりはライト。塩気と甘味のバランスがよく、レンゲですくう手が止まらなくなる。しなやかなコシの細ストレート麺との絡みも抜群。
しみじみと、旨い。
種村さんは自身のラーメンを「正統進化」を表現する。豚骨の量を増やして濃度を上げ、逆に脂を減らすなど、屋台の一杯から時代のニーズに合わせ、さりげない進化をほどこしているという。現状に決して満足することなく、さらに高みを追求し続けている。
「屋台から数え今年は創業50周年の節目。昨今の状況が落ち着いたら、お客様に感謝の気持ちを込めた50周年祭ができたらいいですね。今は皆大変な時期ですが、福岡のラーメン界全体で結束を強め、苦境を乗り越えていきたい」。種村さんは力を込めて話す。
[所]福岡市博多区祇園町4-64
[☎]092-263-0423
[営]11:30~24:00(金・土曜~翌1:00、日曜~22:00)
[休]不定
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