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Fuku Spo – アビスパ福岡/鈴木 惇

鈴木 惇(Suzuki Jun)・ミッドフィルダー 背番号8

©avispa fukuoka

41試合に先発も、目標を達成できず充実感はない。

2018シーズンを振り返ると、率直に残念です。目標は優勝してJ1に昇格することでした。19勝13分10敗の勝ち点70で7位という成績は目標にまったく届いておらず、残念だし力の無さを痛感しました。振り返ってみると、力負けした試合はほとんど無く、「あの試合で勝ち点3を取れていた」という試合が何試合もありました。目標を達成できなかった原因をひとつに絞るのは難しいのですが、勝ち点84という高い目標を達成できる可能性があったのに、それを自分たちから手放してしまったという感覚があります。今季のJ2はまれに見る混戦だったからこそ、粘り強く勝ち点を積み上げたチームが上に行ったと思います。自分たちは勝ち点を伸ばせない試合が多くあり、この結果になりました。

個人としては出場停止の1試合を除く41試合に先発しました。正直、シーズン前はこれだけ多くの試合に出られるとは思っていませんでした。もちろん、個人としてはキャリアハイの出場数ですが、自分のことよりチームの結果を重要視しているので、自分とチームのどちらも成績が良くないと満足できません。個人の数字を見れば、良いかもしれませんが、やっぱりチームの結果に結びつかないと意味がないので個人的な充実感は得られていませんね。

 

この経験を生かすために、またキャプテンをやりたい。

僕にとってのターニングポイントは2つあり、ひとつは2017年に大分トリニータに移籍したことです。今後サッカー選手としてピッチの中で存在感を出すために必要なことを教えてもらいました。大分で試合に出続けて、これはどこに行っても大事になるということを教えてもらいました。アビスパでも十分に戦えると思ったので帰って来ましたし、これからも自分の中に大切に置いておかなければなりません。大分で改めてサッカーは11人でプレーするものだと思い、頭の回転を止めてはいけないことを学びました。僕は身体能力が優れている選手ではないので、考えるところで勝負しないといけません。それを知る上で貴重な時間でした。それまでも考えてプレーしていたのですが、今思えばまだまだ足りませんでした。もっと深く質を掘り下げないといけないし、幅広く考えないといけませんでした。考えることに限度はないので。

もうひとつは2018シーズンにキャプテンを任されたことです。最終的にチームは目標を達成できず、自分もチームのことを考え過ぎたり、力の入れ方のバランスをつかめずに苦しんだシーズンでもありました。でも、それはキャプテンをやっているから分かることで、今後キャプテンをやるにしろやらないにしろ、今シーズンにキャプテンをやった経験というのは大事にしていきたいと思いますし、それを生かすのも今後の考え方や行動次第だと思います。大事なことは、この経験を自分の成長とアビスパの成長につなげることです。この経験を無駄にしたくないです。

シーズン中チームの成績が上がらない時は、もっともっとチームのことを考えないといけないと思いましたし、成績が下がるとどうしても良くない部分が見えて、開幕当初の良さを忘れてしまうこともありました。自分のやりたいプレーをやらないことがチームのためだと考えることもありました。一番良いのは、自分の得意なプレーでチームに貢献して、さらにチームメートも良いプレーすることだと思います。でも、自分が我慢することがチームのためになると思ったり、試合によっては自分が決めてチームを助けなきゃと思ったり。今考えると力が入り過ぎていましたね。

それとコミュニケーションがすごく難しかったですね。伝えて、理解してもらい、ピッチでのプレーや振る舞いで思ったとおりに動いてもらい、最終的にチームが勝たないといけません。最初は伝えることに苦労しました。みんなでひとつになって戦うことがミッションなので、いろんな個性の選手がいますが、それをひとつにまとめることが大事です。チームが勝つためにお互いを認め合うことができれば、時に言葉が厳しくなっても大丈夫だと思います。その基準をチームとしてうまく作れませんでした。来季もキャプテン? 任されるのであれば、「はい」と返事します。今季指名されたときは、「やらなきゃ!」という思いと、「俺でいいの?」という思いが半々でした。だけど、アビスパに育ててもらいましたから、そこで「いやです」とは言えない。不安や迷いはありましたが、「はい!」と言いました。クラブに長くいる選手が前に立つことは必要だと思うので、次に誰が監督になるかわかりませんが次もやりたいですし、今季の経験を生かすためにはまたキャプテンをやるのが一番良いと思うんです。

 

サポーターと切磋琢磨して目標のJ1昇格を達成したい。

チームとしての目標であったJ1昇格は達成できませんでしたが、最後まで一緒に戦っていただいたサポーターのみなさんには本当に感謝してます。この悔しい気持ち、サポーターのみなさんの悔しい思いを自分たちが背負って来季は戦いますので、引き続き、熱いサポートをお願いします。僕はサポーターのみなさんを長く見ている選手の一人なので、お互いに協力しながら一緒にクラブを良くしていきたいと思っています。

 

編集部からのおまけ質問「行きつけの店、教えてください!」

有名店ですが水炊きを食べに行くのは「いろは」ですね。魚が好きなので、薬院の「海鮮丼 日の出」にも行きます。よく頼むのは、ネタを選べる「マイ丼」ですね。その日の気分で食べたいネタを選んでいます。漬物が食べ放題なのもいいんですよ。魚のなかでもうなぎが好きなので、こちらも薬院ですが「うなぎ処 山道」もオススメです。ここはご褒美的な感じで行きます。カリッと焼き上げられているのが好きで気に入っています。

©avispa fukuoka

※シティ情報Fukuoka 2019年1月号本誌掲載

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