Fuku Spo – 福岡ソフトバンクホークス/田中正義
田中正義(たなかせいぎ・背番号25)
活躍を待っていた!
故障癒えた剛速右腕が、ついにローテーション入りへ
5球団競合の末、鳴り物入りでホークスに入団した田中正義が、ついに初の開幕ローテーション入りの予感だ。期待されながら、度重なる怪我で未だ未勝利。今年はブレイクイヤーになるだろうか。
開幕ローテション入り。そしてプロ初勝利への覚悟
「開幕ローテーションを目指して今年はやる」。その決意のもとキャンプして、オープン戦も課題はありましたが、いい感触で投げることができました。ポジションにこだわりはないんですが、今年は“先発”に挑戦させてもらえる権利があるので、このチャンスを生かしたい。そうでなければ、どのポジションでもチャンスは巡ってこないと思うので、先発として期待に応えたいと思っています。
キャンプは、コントロールと変化球をテーマに取り組みました。ストレートのコントロールは悪くないレベルに来ていますが、変化球になると、まだ乱れがあるのが現状です。そこの精度をどれだけ高められるかが、活躍できるかどうかの鍵になると思っています。
2017年の入団以降、最初の4年間はずっと怪我や不調で活躍できず、負い目を感じていました。故障の要因は、投球フォームの問題で、今もその課題には向き合っていますが、日々修正しながら試行錯誤することで、いい変化は感じています。フォームに関しては、考えてない時間はないと言っていいぐらいずっと頭の中にありますね。トレーニングも今は部分的に鍛えるのではなく、体全体を連動させて動かすことを意識した内容に移行し、手応えを感じています。野球には、体の連動性はかかせないですし、自分の体を自分の思い通りにコントロールできていることは、故障しない体の基礎になります。上達するためにはどうすればいいか、これからも模索を続けていきます。
成長を感じるプロ6年目。「できる」と信じて
故障中は、道筋が見えていない時期も多く、1年間が長く感じましたし、苦しかったです。それが今は、開幕ローテーション争いに加われている。結果が出ていないので、まだまだこれからが勝負なんですが、自分が一軍で活躍できる可能性を感じられるようになったことが、一番自分自身に成長を感じているところです。また、内川聖一さんがホークスを退散される時にかけられた「お前以外のみんなは、お前はできると思っているのに、お前だけができないと思っている」という言葉の受け止めが、最近変わってきて。人に言われても、自分がそうだと思えないと意味がないんですけど、それが自分でも「できる」と思えるようになってきたは、キャンプやオープン戦からです。
そう思えるのも、積み重ねてきたものが、表現できるようになってきたことが大きいですね。コントロールが、その代表例です。ベテランの和田(毅)さんや一緒に自主トレした千賀(滉大)さん、大学の先輩でも石川(柊太)さん、そして東浜(巨)さん、見ていると、自分のやるべきことに集中していて、内容が濃い時間を過ごされていると感じます。例え、(僕が)真面目と言われても、先輩たちのように、それがパフォーマンスに注力できていなければ意味はありませんし、僕も27、28歳の歳なので、無駄な時間は過ごせないと思っています。
今年は絶対活躍したいですし、1年間一軍にいて10勝を目指します。頼りにしてもらえるような選手に頑張ってなるので、ぜひ応援してくれたら嬉しいです。チーム成績を考えるよりも、まずは自分のパフォーマンスをどう上げていくかに集中します!
プライベートな質問
Q.リラックスできる時間は
家で音楽(J-POP)を聴いている時です。好きなアーティストは、登場曲にも使っているコブクロさんです。球場にサウナがあるので、サウナに入っている時もリラックスできます。サウナはリカバリー目的もあって入っていますが、頭もスッキリしていいですよね。
Q.好きな飲食店は?
お寿司なら「たつみ寿司」、お肉系なら、しゃぶしゃぶも焼肉も食べられる「西新初喜」が好きです。
<プロフィール>
2016年ドラフト1位でホークスに入団。入団2年目の’18年に中継ぎとして一軍初登板を果たすが、同年7月から‘20年までは、右肩や右肘の怪我や不調を繰り返した。昨年は救援として自己最多の18試合に登板。防御率2.16で復調を感じさせた。最速は156km。真面目で勉強熱心な性格で知られる。