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【久留米グルメ 愛される老舗#01】昭和から令和まで愛される路地裏の喫茶店

西鉄久留米駅から六ツ門町まで続く6つの商店街で構成される久留米ほとめき通り商店街。その中でも特に昭和の面影を残すあけぼの商店街の細い路地裏に佇むのが、昭和36年創業の喫茶店『ばんぢろ』だ。

風情のある扉を開けると、迎えてくれたのはマスターの中野成俊さん。博多本店の暖簾分けとして久留米にオープンした『ばんぢろ』に、現在61歳の中野さんが出会ったのはまだ子どもの頃。高校卒業後、別の喫茶店に勤めながら通っているうちに先代マスターから後継ぎとして声を掛けられ、悩みぬいた末に弟子入りし店を引き継いだ。

 

 

もとはコーヒーのみを提供していたが、商店街の開発に伴い表通りから今の場所にやむなく移転したとき、集客のためにカレーやピザトーストなどのフードメニューをスタート。今では食事目的で来る人も多く、新たな名物である『ハヤシライス』(850円)は最低でも3日は煮込むというこだわりぶりでコクのある味にファンも多い。

 

 

そして、ばんぢろで過ごすのに欠かせないのが、昭和天皇に献上した歴史があるというブレンドコーヒー(500円)。「水を鍋で沸かして沸騰したら粉を入れる。3分蒸らしてじっくり味出ししてから濾して淹れるのがばんぢろ流なんよ」。先代から教わったコーヒーの淹れ方は長い歴史の中、変わることなく守り続けられている。ぜひ味わってみてほしい。

 

近頃、マスターが更新するインスタグラムをきっかけに通うようになった若いお客さんも多いらしい。古いながらも手入れの行き届いた店内に、大手チェーン店とは違う居心地の良さを感じているのだろう。「先代が厳しかったけん未だに店の掃除は毎朝念入りにするんよね(笑)」とマスターは言うが、それはお店やお客さんへの愛情から。これからも街の隠れ家的な存在として、訪れる人の心を癒してくれるだろう。


掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。

 

珈琲の店 ばんぢろ

久留米市六ツ門町22-34
[TEL] 0942-32-0756
[営] 10:00~19:00
[休] 水曜
[席] 38席
[P] なし
カード/不可

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