【インタビュー】Fuku Spo – 福岡ソフトバンクホークス/藤井皓哉
藤井皓哉(Fuji Kouya・背番号48)
勝利の方程式に藤井あり!
戦力外からN P Bに復帰した不屈の右腕がホークスのリードを守る
藤井皓哉投手がいなかったら、ホークスの中継ぎはどうなっていたのだろう。8回のマウンドに上がっている彼の姿を見て、ホークスファンの多くが同じ思いを抱いていることだろう。勝利の方程式に欠かせない存在としてチーム内の信頼も厚い藤井投手に、飛躍の要因を伺った。
切り替えを大切に。フル稼働に充実感
シーズンも終盤に入り、日々のゲームで順位が上下する状況になってきましたが、チームは普段通り変わらず1試合、1試合を大切に戦っています。自分もシーズン通して戦うことは始めてなので、疲れはありますが、言い訳はしたくない。そう思って、疲れを早く抜く方法などを周りの方に聞いています。
マウンドに上がるときは「精一杯できることを全力でやって、なんとかゼロで帰れるように」と思って、ベンチを出ます。それでも打たれて悔しい気持ちを味わうことはありますが、その感情はその日その日で切り替えるようにしています。良くも悪くも、毎日変わらず、常に「普通」に過ごすことを心がけていますね。
ブルペンで準備している時からバッターをよく見て、先発投手がどういう打ち取り方をしていたのか、その日の傾向を見ることを大切にしています。それによって、捕手が出すサインの意図も掴めますし、同じ球種やコースでも、ここはしっかり低めに投げないといけない場面とか、ここはファールを取りたいのかなとか、わかるんです。自分でも意図を汲んで投げることが、一番いい投球に繋がっていると思います。
独立リーグ時代に構築した「逃げない投球」
昨年は1年間、四国アイランドリーグplusの『高知ファイティングドッグス』でお世話になりました。独立リーグに行ったことで、もう一度プロでやりたいという思いがより強くなりましたし、こうやって1軍で投げられていると思います。独立リーグはN P Bといろいろな意味で違って、いかに環境に恵まれていたかを実感する場所でもあり、上を目指している若い選手と一緒に練習することで、刺激をもらう場でもありました。そこで一番変わったのは、しっかりバッターと向き合えるようになったこと。以前は結果ばかりを気にして、打たれることを嫌がっていましたが、それがかえって、自分を苦しくしていたんです。怖がることをやめようと決意して、高知ではストライクゾーンに強い球を投げることを意識して1年間過ごしました。そのチャレンジ対して、試合の結果にかかわらず、1年間ずっと投げさせてもらえた経験は、とても大きな自信に繋がりました。
ホークスに契約してもらってからは、絶対に1軍で結果を残すと決意しました。ホークスの投手陣は仲がいいのですが、負けないようにという気持ちは忘れずにいたいと思っています。いい投手が多いので、その気持ちが薄れると、すぐに置いていかれる気がしています。球速や奪三振の数にはこだわりを持っていません。打者を抑えるにはスピードも大事ですが、今は160km/hを投げる選手もいるので、自分がそこにこだわっても仕方がないですからね。それよりも、150km/hをきちんとコントロールできて、任されたイニングを0点で抑える。それこそが一番チームに貢献できることだと考えています。「与えられた場面で結果を出すのが藤井」。そう思ってもらえるように頑張っていきます。まだまだ厳しい戦いが続いていますので、最後まで温かいご声援をよろしくお願いします!
プライベートに迫る質問
Q.何をしている時が幸せ?
家でのんびりしているときが一番ですね。気分転換に映画を見ることもあって、前は『ONE PIECE』を見ました。浅く広く見るので、ジャンルに対するこだわりはありません。
Q.福岡の印象について教えて!
まだほとんど外出らしいことをしていなくて、福岡グルメも食べられていないので、正直に言うとまだよくわからないんです。おすすめがあれば教えてください!
<PROFILE>
2015年にドラフト4位で広島東洋カープに入団。2020年に戦力外となり、翌年は四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに在籍。ホークスの3軍相手にノーヒットノーランを達成した。2021年12月にホークスと育成契約。2022年3月には支配下選手となり活躍中。