【大川市】三年ぶり開催の大祭で盛り上がった「おふろうさん(風浪宮)」のこれから。
【大川市ってどんなところ??】
福岡県の南西部、筑後川が有明海へと流れ込む場所に位置する町です。その立地から海運の要所として船大工や職人達が暮らす町として栄え、いまでは家具の大生産地として、たくさんの家具を日本全国に送り出しています。また、広大な筑紫平野で育まれる米やイチゴなどの農作物、筑後川や有明海で採れる良質な海苔など、農水産業も盛んです。
境内に国の重要文化財や県の天然記念物など貴重な資料となるものを残し、年に一度の大祭の時には各行事の主要会場となる『風浪宮』。約1800年前に創建されたと伝えられている神功皇后とのゆかりのある格式高い神社だが、地元の人たちからは「おふろうさん」と呼ばれ親しまれている場所だ。
毎年2月9日から11日にかけて行われる「風浪宮大祭」。久留米高良大社や水天宮とともに、筑後地方の三大祭りの一つだ。今年は従来より参加人数など規模を縮小した上で今年3年ぶりに開催された。
2月9日の舳先祭を皮切りに、厄除けを祈願する「裸ん行」、神功皇后が船を寄せたといわれる日吉神社から清めの水を汲む「お潮井汲み」、「お潮井詣り」「御神幸」「流鏑馬」など期間中は多くの古くから伝わる神事が執り行われた。
大祭のハイライトの一つである裸ん行は、本来であれば500名ほどの参加者を今年は100名に縮小して開催。締め込み姿にねじり鉢巻き、白足袋の出で立ちの男衆、白Tシャツ姿の女性たちがたいまつを持って若津神社から風浪宮までを走り1年間の無病息災を祈った。
ゴールの風浪宮前には裸ん行参加者の家族が集まり到着を待つ。家族の声援に迎えられた参加者たちは本殿を三周し神職のお祓いを受ける。みんながそれぞれの立場で行事の再開を喜び合っていた。
最終日の2月11日には大川市音楽親善大使の田口こうきさんのミニコンサートも開催され大いに盛り上がった三日間だった。
これからの風浪宮について話を聞いてみた。
「現在、『風浪宮 百年の杜プロジェクト』が進行中です。これは「わたつみ三神」が降臨するよりしろとして御柱を敷地中央に立てた杜をつくるものです。敷地内には沖ノ島、大島、宗像大社の宗像三神と一直線につながる三本の鳥居もわたつみ三神の象徴として建立します。」と教えてくれたのは第六十七代宮司の阿曇 史久さん。
日本書紀に記されたわたつみの神を祀る阿曇一族の末裔である。
「地元の方には風浪宮よりおふろうさんという呼び名の方が認知されているくらい親しんでいただいています。そのおふろうさんにこうした歴史に由来する物語があることを、このプロジェクトを通じて多くの方に知っていただきたいですね。」
百年の杜は2023年中に完成予定。
自然に包まれた新しい杜の中で、感性を大事にしてきた日本の歴史に思い馳せるひとときを過ごしてみてほしい。
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