【東峰村】小石原焼の新たなスタイルを切りひらく窯元『上鶴窯』
【東峰村ってどんなところ???】
福岡県中央部の東端に位置し、2005年に小石原村と宝珠山村が合併して誕生した小さな村です。春と秋には『民陶むら祭り』が開催され、多くの焼物ファンが足を運ぶ。福岡県では2つとなってしまった村のひとつですが、2012年度にNPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟し、日本の原風景に出会える民陶と棚田の里を守り続けています。
東峰村といえば小石原焼と髙取焼の2つの流れの焼物。年に2回開催される大陶器市「民陶むら祭」を楽しみにしているファンも多い。開催期間中は通常価格の2割引き程度で購入できるとあって全国各地から多く方が訪れる。両方合わせて40以上の窯元が、今も伝統を大切に受け継いでいるのだ。
昔ながらの外観の窯元が並ぶ中、カフェのような雰囲気でひと際目立つのが『上鶴窯』。店内も外観からのイメージ通りのスタイリッシュさで、一瞬自然に囲まれた東峰村にいることを忘れてしまいそうだ。
案内してくれたのは上鶴窯の和田 祐一郎さん。店舗の外観や内観含め、現在の上鶴窯のイメージはすべて和田さんによるもの。以前は建築関係の仕事をされていたそうだが、家業を引き継ぐ形で焼物の道に入ったそうだ。もともとものづくりが好きで建築業界に入ったという和田さん。よく福岡市内の人気店に行っては、建物や内装を見てどうやって造っているのか研究していたそうだ。
その情熱は焼物を始めても変わらない。器の色は原料の少しの調合の変化でも色合いが大きく変わる。土は採る場所によって粘度が変わり乾いた時の収縮具合が違ってくる。突き詰めれば終わりがない世界だが、それを和田さんは心から楽しんでいるように感じる。
「どうやったら思い描いた色が出せるかな、おもしろい模様の入れ方はないかなとか。試行錯誤を繰り返す研究者みたいですよ。」と和田さん。伝統はもちろん大切にするが、縛られ過ぎないスタイルは、やはり前職でまったく違う仕事を経験してきた事が大きく影響しているようだ。その感性が新たな小石原焼ファンに支持されており、毎年の新作を楽しみしている方も多い。遠方からたくさんの器をオーダーしにくる飲食店の経営者も多いそうだ。
ドット柄が施されたオーバル皿やスクエア皿は今年の新作。使いでのいいオーバル皿は要望が多かったそうだ。色合いもペールトーンやアースカラーなど普段使いしやすいものが中心。今風のインテリアの部屋にピッタリだろう。
「飛び鉋(とびかんな)」という連続した削り模様を入れる技法や、刷毛や櫛を使った「刷毛目」「櫛目」などの伝統的技法も和田さんは大切にしている。一方では有田焼など違う地域の窯の友人と交流し、効率の良い技法を共有したり、使う土を交換したりしているそうだ。「全国にある焼物の産地の数を考えたら、僕がここでやってきた事はまだほんの入り口程度。もっといろんなことに挑戦していきたいですね。」とのこと。和田さんが手がける、小石原焼のニュースタイルに今後も注目していきたい。
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上鶴窯
住所:東峰村小石原鼓2514-1
電話:0946-74-2097
営業時間:9:00~17:00
休:不定
P:あり
カード/可