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【福岡焼鳥】その味に福岡人もトリコ『鶏と肴 フルヤ』

店主が惚れ込んだ高坂鶏。丸鶏で仕入れ美味を食べ尽くす。

 

土佐備長炭で高坂鶏の焼鳥を焼く店長の山崎昌輝さん。水分量を調整しながら鶏のポテンシャルを最大限引き出すため、真剣勝負

 

平尾の大通りから西へと入った小路の、うっかりすると見落としそうな路地裏奥。お忍び感満載のこの店は、築60年の古民家をリノベーションし、居心地の良さも満点だ。これ以上ないほどに隠れているのに、17時の開店とともに予約客で埋まる人気店。皆のお目当ては京都産の〈高坂鶏〉だ。高級鶏ゆえコースで提供する店が多い中、ここでは単品注文ができる。刺身から焼鳥、鶏出汁おでんなど、皮から骨まで、滋味あふれる〈高坂鶏〉を余すことなく味わえる。

 

醤油や塩、薬味を使いわけながらその味を堪能したい『刺身盛り合わせ』(1人前1280円)

 

一般的な鶏は新鮮さが重要だが、〈高坂鶏〉は熟成してさらにその旨さを発揮する。そんなどこでも取引できるものではなく、「高坂鶏農園」がこの人ならと信頼した人にしか卸してなく、現在は新規取引を受けていないほど稀少なものだそう。店主の古里優介さんは、東京で食べて惚れ込み、豊かな自然と水源に恵まれた土地にある「高坂鶏農園」を訪れ、会話を重ねて取引が許され、’17年の創業時から〈高坂鶏〉を提供している。丸鶏を仕入れ、店で捌くところから始めるので、仕込みは朝10時半から。「それでも17時のオープンギリギリ」と、統括部長の矢羽田治木さんは笑う。「本数限定の稀少部位は早い時間に来ていただいた方がいいですが、遅い時間でも高坂鶏を食べていただけるように、毎日仕込みをしています」。

 

一串入魂で焼かれた『抱き身』(280円)、『つくね』(280円)、『かしわ(塩)』(250円)。口の中で肉汁が躍り恍惚する旨味が広がる…!

 

‘21年には『警固ふるや』もオープン。築50年ほどの建物をリノベーションしたカウンター10席のみの大人の店で、旬の素材を使用した和食や魚介類、高坂鶏の炭火焼きも食べられるコース(1万1000円、前日までに要予約)やアラカルトを、ワインや日本酒とともに楽しめる。シックな造りで、吹き抜けの2階はワインセラーという贅沢空間。平尾の店とはまた違った魅力にあふれていて、甲乙付けがたい。

 

入口は民家感満載だが、足を一歩踏み入れるとセンスあふれる空間

 

「福岡の飲食業界は厳しいですよ。福岡のお客さんには本当にいいものを出さないと。その代わり気に入ってくれたらずっと通ってくれます」。古里さんと一緒に一軒目の店づくりから携わり、2軒を統括する立場だからこそ、人気店を維持するためのストイックな姿勢が矢羽田さんの言葉の端々から伝わってくる。

 

無添加スープと『麺屋慶史』のつるんとした麺が好相性、しみじみ染みる『高坂地鶏の醤油ラーメン』(680円)

 

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掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。

鶏と肴 フルヤ

【所】福岡市中央区平尾1-9-6
【☎】092-406-6022
【営】17:00~23:00
【休】不定
【席】34席
【P】なし
カード/可
【インスタグラム】@toritosakana_furuya

【掲載雑誌】シティ情報Fukuoka 7月号

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