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うきは市長 髙木 典雄 インタビュー

本誌編集長が最近気になる市町村長を訪れ、本音でインタビューをしていく連載の第15弾。今回は、猛暑が続いた夏がようやく終わり、いよいよおでかけの季節が到来。ということで、行楽の秋、文化の秋、食欲の秋という秋の三大欲求のすべてを満たしてくれる福岡のおでかけ人気エリア「うきは市」におじゃましてきました。 福岡県南東部に位置するうきは市といえば、この時期、真っ先に思い浮かぶのは「フルーツ狩り」。みなさん知ってましたか、うきは市の別名は『フルーツ王国』なんです。ブドウ、モモ、リンゴ、イチジク、クリ、カキ、ミカン、ナシ、イチゴ…とほぼ1年中、フルーツが楽しめるっていうんだからスゴイ。その影響もあってか、人口あたりのスウィーツショップの数がなんと日本一というんだからビックリ。確かに、ケーキ、ジャム、どら焼き、ジェラートなど本誌でもお馴染みの人気店は数をあげれば切りがないほどある。

フルーツだけでもスゴイが、うきは市の魅力はそれだけではない。そのほかにも、森林セラピー、名水の里、温泉、地元グルメ、史跡めぐりや吉井白壁通りの人気ショップめぐりなど、本誌はもちろん県外メディアがこぞってシーズンごと取材にやってくるほど、観光・歴史文化・グルメのどこを取ってもネタが尽きない人気観光地なのだ。

近年では、市外や県外から、わざわざうきは市に移り住んで商売をはじめたいという若者も急増しているとのこと。

今回は、そんな福岡はおろか九州を代表する注目度赤丸急上昇のうきは市の市長に就任して8年目。『うきはブランド』の仕掛け人にして、縁の下の力持ちと評判高い、髙木典雄市長を直撃取材してきました。江戸時代から変わらぬ白壁の日本家屋が建ち並ぶ吉井町の白壁通りを散策しながら、まちを一望できる『鏡田屋敷』におじゃまして、市長の底知れぬ郷土愛と『うきはブランド』への熱い想いをたっぷりと語っていただきました。

1951年8月10日、浮羽町生まれ。1970年、福岡県立浮羽東高等学校卒業後、建設省九州地方建設局入省。1974年、福岡大学商学部2部卒業。1994年から98年まで建設省九州地方建設局から浮羽町助役に出向。2004年、国土交通省福岡国道事務所副所長就任。2008年、九州地方整備局調査官、2011年、九州地方整備局総括調整官を経て、2012年3月に国土交通省を退官。同年7月、うきは市長選挙に出馬し初当選。2016年、うきは市長選挙で再選し現在2期4年目。趣味は「うきは(を学ぶこと)」、特技は「うきはを語ること」という熱き郷土愛を持った、根っからのうきはっ子!

インタビュアー:新時代を迎え、市長が今考えているうきは市の未来像とは、どんなものなのでしょうか。

2045年には人工知能が人間の知能を超える社会がくるといわれているほど、今の世界は超高度情報化社会に向かってすごいスピードで進んでいっています。そんな中、日本では、現在の小学生の半数が107歳まで生きると予測されていることからもわかるように、人生100年時代と共に超高齢化社会を迎え、健康寿命を伸ばしながら、定年後もいきいきと働いていける環境づくりが叫ばれています。そんな国内外の社会情勢をしっかりとみつめながら、今私が考えているのは、うきは市が世界に誇れる里山の原風景と自然環境をしっかりと残しながら、時代の流れや世界情勢にも柔軟に対応していける、そんな持続可能なうきは市の未来のための土台づくりなんです。

うきは市のことを語りだしたら止まらない高木市長。一語一句、丁寧に囁きかけるようなやさしい語り口が印象的でした

インタビュアー:その未来のうきは市の柱になるのが、市長が2期に渡り推進してきた「うきはブランド」だと思われます。この「うきはブランド」とはいったいどんなブランドづくりなのでしょうか。また市政のテーマに掲げられている「うきはブランドを絆で結ぶしあわせ彩るうきは市」とはどんなまちづくりなのでしょうか。

7年前、市長に立候補した時から変わらぬ方針がありまして、それは「いまあるものを生かす」ということです。何か新しい建物や産物をつくるのではなくて、うきは市が元々持っているものを見直そうと。これこそが「うきはブランド」そのもののコンセプトなんです。そこには二つ柱があって、まずひとつは「地域資源の掘り起こし」。ずっとうきは市で暮らしていると当たり前で普通のことが、市外の人からすれば実はすごい価値があるものなんだと、まずは市民に気付いてもらうことからはじめました。そして、もうひとつの柱が「人材の掘り起こし」です。どんなに素晴らしい環境や産業があっても、それを守り伝える人材こそがブランドづくりに欠かせないと考えたわけです。

「メイン通りはもちろん、裏通りにもたくさん素敵な風景やスポットがあるので、ぜひ奥深くまでまち歩きして楽しんでいただきたい」と案内していただきながら、昔ながらの風景が残る吉井町の白壁通りでスチール撮影。通り沿いには人気ショップがたくさん。その中のひとつ『蛭子町珈琲店』でちょっと一息、コーヒータイム!

ところが、平成24年7月15日の市長就任日の前日が、なんと九州北部豪雨災害が発生した日となり、就任直後から2年間は復旧復興に奔走した日々でした。このため、うきはブランドづくりに取りかかったのは実質3年目からとなりました。ちょうどその頃、政府も地方創生プロジェクトに取り組み始めた時期だったのを覚えています。

3年目にしてようやく新たなまちづくりに取り組めるようになり、まずは一つ目の柱である、地域資源を掘り起こすために、「うきはブランド推進室」という新しい組織をつくりました。そして次に、二つ目の柱である人材づくりに取り組むにあたり考えたのが、コミュニティの再構築でした。そのために、各地域の行政区をもっと活性化させる仕事を行なう「市民協働推進課」をつくりまして、人材育成に取り組みました。

そんな最初の取り組みからこれまで数々の施策を重ねてきましたが、終始一貫しているのは、先ほど述べた「うきは市のいまあるものを生かす」ために、うきはブランドづくりの根源となる、自助、共助、公助の精神です。市民だけでもダメ、役所だけでもダメ、その二つがその精神でひとつになってはじめて生まれ、育つブランドだということです。

その土台を例えるならば、まさに「舞台づくり」とでも言えましょうか。そして、その舞台で踊るのは市民一人ひとり。まちづくりの主役はすべての市民一人ひとりなんです。その一人ひとりが故郷に誇りと自信を持って地域づくりに取り組んでもらうことができるまちづくり、これこそがうきは市が掲げている「うきはブランドを絆で結ぶしあわせ彩るうきは市」であり、私の政治理念、そのものなんです。行政というのは、その舞台の縁の下の力持ちみたいな役割だと私は思います。

インタビュアー:近年、うきは市に県内だけでなく全国から注目されるようなヒト、モノ、コトが生まれていた理由は、そんなまちぐるみでのブランドづくりにあったんですね。

うきは市が持っている歴史や文化、地理的環境や自然環境は、世界中の人が感動してもらえるくらい素晴らしいものがあると思いますし、近い将来、きっとうきは市はそんな世界基準の理想郷になると私は信じています。

私が前職で取り組んだグリーンツーリズムの時代も、世界の時流に先駆けた動きに対して、うきは市は積極的に取り組んできましたし、自ら必要なものは自らの手と想いでつくりあげていく、そんなものづくり精神に基づいた、まちづくりの土壌がしっかりあると認識しています。

そして、筑後川と全長23キロメートルにも及ぶ耳納連山に囲まれた複合扇状地を形成する世界的にもまれな地形と、日本の歴史の原点とも言うべき歴史と文化を土台に、グローバルな視点とローカルな営みができる「グローカルな人材」が世界に羽ばたくことができる、そんな市民が主役の舞台づくりを、これからもどんどん推し進めていきたいと思います。

ぜひみなさん、この「うきはの魅力」を体感しにお越しください!

吉井町の白壁通りめぐりの際は「鏡田屋敷」で絶景眺めて一休み。

幕末から明治時代初期に郡役所の官舎として建てられ、その後、明治後期に増築されたうきは市の指定文化財。屋敷内には、美しい庭園があり、豪華な屋敷型建造物からは明治期の吉井の繁栄が伺える。また懐かしい竈の台所があるほか、2階の座敷からは耳納連山をバックに吉井の街並みが一望できる。
うきは市吉井町若宮113-1
電話:0943-75-3113
時間:9:00~16:30
定休日:月曜(祝日の場合は、その翌日)
駐車場:なし

行ってみたい!住んでみたい!
勝手によかコレ!うきは市BEST5

行楽の秋が到来! フルーツ狩り、森林セラピー、温泉、吉井白壁通りを散策しながら人気ショップめぐりなど、うきは市には本誌でもお馴染みのスポットが満載。なかでも今回はこの季節にぜひ足を運んでみてほしい名所・見所を厳選紹介!!
詳しくは下記HPもぜひのぞいてみよう!!

うきは市役所 http://www.city.ukiha.fukuoka.jp/

うきは観光みらいづくり公社 https://ukihalove.jp/

 

フルーツ狩り&フルーツ農園

うきは市は旬の果物が年中楽しめる、全国的にも有名な「フルーツ王国」。ブドウ狩りをはじめ、イチゴ、モモ、ナシ、カキ、ブルーベリーなど1月上旬から11月いっぱいまで楽しめる。フルーツ農園情報は下記をチェックしてみて!!

うきは市観光案内所「土蔵」

住所:うきは市吉井町1043-2
電話:0943-76-3980
時間:9:00~17:00
定休日:月曜
https://ukihalove.jp/

浮羽稲荷神社

城ヶ鼻公園内にある浮羽稲荷は、山に沿って続く赤い鳥居と見晴らしのよい景色が広がる人気のフォトジェニックなビュースポット。
住所:うきは市浮羽町流川1513-9
電話:0943-77-5611(うきは観光みらいづくり公社)

清水湧水

750年以上前からこんこんと湧き出る清水寺の湧水は「名水100選」に選定されたうきは市自慢の天然水。1日約700トンの湧水量を誇り、地域の生活を支え続けている。
住所:うきは市浮羽町山北1941
電話:0943-77-5611(うきは観光みらいづくり公社)

つづら棚田

日本棚田百選に選ばれた里山の名所。新川・葛籠(つづら)地区の山あいの斜面に階段状の棚田が約300枚。山の石を使い、丁寧に積み重ねられた石組みは約400年前のものだとか。四季折々で美しい風景が楽しめる。
住所:うきは市浮羽町新川
電話:0943-77-5611(うきは観光みらいづくり公社)

道の駅 うきは

国道210号線沿い、筑後平野が一望できるうきは市の東部の高台にある『うきはブランド』の交流拠点。うきはの名産・名物が一堂に会した豊富な品揃えが自慢で、週末には行列ができるほどの人気スポット。
住所:うきは市浮羽町山北729-2
電話:0943-74-3939
時間:9:00~18:00
定休日:第2火曜(祝日の場合は翌日)
http://www.michinoeki-ukiha.com/
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