【インタビュー】Fuku Spo – アビスパ福岡 /金森健志
MF 金森健志(Kanamori Takeshi・背番号7)
タイトルの証である星を
2つ、3つと増やしていきたい
アビスパへの電撃復帰から3年目の今季、ルヴァンカップを
制して、クラブ創設初のタイトルをもたらした金森健志。
アビスパにとって念願のタイトル、今季の強さの秘密、
さらには今季最終戦に向けての思いを語った。
初タイトルに選手として貢献できてすごく幸せ
福岡で生まれた金森健志にとって、アビスパは幼い頃から身近な存在だった。
それはいつしか大きな存在となり、プロのキャリアをスタートさせたのもアビスパだった。
クラブ存続の危機やJ1昇格、J2降格、他クラブへの移籍や復帰などさまざまな経験を経て、ルヴァンカップのトロフィーを掲げた。
「すごく嬉しかったですし、アビスパの初タイトルに選手として貢献できてすごく幸せな気持ちでいっぱい。
試合終了の笛を聴いた時は、『優勝って最高だな』と思いましたし、これまでアビスパのいろんな歴史を知っている身として、ここまでたどり着けたことですべてが報われた気がして本当にうれしかったです。
たくさん苦しい経験もしましたし、2013年にはクラブがなくなりそうな経験もしました。
その時に講演会や全国のサッカーファンの支えがあったからクラブが存続できたと思いますし、そういう人たちへの感謝を忘れちゃいけないと思います」。
ルヴァンカップでは途中出場が多く、決勝の舞台も後半からの出場となった。
どんな思いで前半を見つめていたのか?
「とにかく、僕が出るまで勝っていてほしいと思っていました。前半でバトンを渡してくれた(森山) 公弥もすごく良いプレーをしていたので、それをムダにしないというか、さらにチームを活気づけられるようにと思ってピッチに立ちました。
(点を取る、勝つんだという)気持ちがチームメイトに伝わればいいと思っていました。
(山岸)祐也くんがPKを決めていたら最高の形だったんですけど……(笑)。
(PKを止められて)苦しい展開になりましたが、僕たちの勝ちたい気持ちが浦和より強かったと思います。
みんなで時間を進めて、2-1のまま試合終了を迎えられました。
実はPKを蹴るまで時間があったので、祐也くんに『ここで決めたら3-0で試合が楽になります。
でも、外したらけっこうヤバいんじゃないですか?』って話しました。
祐也くんには『マジで変なこと言うなよ』って言われました。
僕としては、リラックスさせようと思って言ったんですけど、祐也くんにはプレッシャーになったみたいで外しちゃいました。
だから、本当に勝ってよかったです。
勝ったからこの話も笑い話にできます。負けていたらお蔵入りでしたね(笑)」。
Jリーグ参戦2年目で手にしたアビスパ初のタイトル。
この意味を問うとこういう答えが返ってきた。
「タイトルを1つ取るのと取らないとじゃ全然違うと思います。
周りの目もそうですし、1つ取ったことでまた優勝したい気持ちが強くなり、欲深くなりました。
この星を2つ、3つと増やしていきたいですし、これを始まりの星にしたいと思います。
良い意味での欲深さがチームを強くしていくと思いますし、一歩ずつですけど上に上にと向かっていると感じています。
リーグ優勝もしたいので、これから強いアビスパを作っていけたらと思います」。
今季の集大成となるリーグ最終戦を観に来て!
今季は天皇杯もベスト4に進出し、リーグ戦も8位につけている。
クラブ史上最強と言われるこのチームの強さの要因はどこにあるのか?
「シゲ(長谷部茂利監督)さんのチームマネジメント力が一番にあり、それを選手たちがピッチで表現できるまとまりがアビスパの強みです。
前線の選手、中盤の選手、後ろの選手がすべてつながっているのでズレがなく、一人ひとりがチームのためにプレーしています。
年間最高順位8位を更新し、クラブ史に新たな1ページを加えたいです」。
シーズンは残り1試合となったが、個人的にはどんなシーズンだったのか?
「ケガで離脱した時期もありましたが、僕が復帰してからチームが良い状態になったこともありますし、今年はゴールだけじゃなくアシストも増えています。
リーグ戦とルヴァンカップ、天皇杯を合わせたら4ゴール4アシストです。
今季は数字にこだわりたいと思っていたので、まだ2ケタには乗っていませんが、これまでのシーズンよりはチームに貢献できている思いますし、プレーの幅も広がったと思います。
満足はしていませんが、ルヴァンカップで優勝して充実したシーズンです」。
最後に今季最終戦となる12月3日(日)の広島戦に向けてこう話す。
「第3節・横浜FM戦では2万人プロジェクトを達成できず、『まだまだ僕たちの力が足りない』と感じました。
でも、ルヴァンカップに優勝してチーム状態も良いですし、優勝した僕たちを観たいと思う人も増えたと思います。
最終戦で2万人プロジェクトのリベンジをさせてほしいし、多くの人に試合を観てもらいたい。
今年1年の集大成となる試合ですので、ぜひベスト電器スタジアムに足を運んでください。
僕個人としては、得点に絡んでみなさんに勝利を見せられたら最高です。
そして、博多一本締めの音頭を取ります」。
【金森選手のプライベートに迫るQ&A】
Q.オフの過ごし方は?
A.犬と散歩したり、カフェに行ったりしています。チームメイトとゴルフにも行っています。
山岸、 田邉、 宮、 三國、小田逸稀、坂田大樹なんかですね。
先日、6人で行った時は僕が1位でした。
Q. 行きつけのスポットや飲食店はありますか?
スポンサーさんの「まる家福岡」さん。
イカやカワハギ、アジなどの造りがめっちゃおいしいです。
呉服町の『ひだりうま』っていう馬肉料理屋さんには週に1回は行っています。
馬刺と馬焼(ばやき)がヤバいです。
この間、(井上)聖也と(佐藤) 凌我と3人で肉を14人前食べました。
〈PROFILE〉
金森健志
ミッドフィルダー 背番号7
生年月日 1994年4月4日
身長 171cm 体重 74kg
出身地 福岡市
4歳でサッカーをはじめ、 筑陽学園ではエースナンバー7を背負い活躍。 高校卒業後アビスパに加入し、1年目の開幕戦に途中出場してJリーグデビュー。 2017年から鹿島でプレーし、翌年にACLチャンピオンとなる。2019年7月に鳥栖に移籍、2021年2月にアビスパへ復帰。今季はオフから20分間の有酸素運動を続け、好調をキープしている