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【ふくおかアグリライフ】大地のチカラ「キャベツ」【築上町】

株式会社ファーム赤松 赤松健人さん

『ふくおかアグリライフ』では福岡の農業にフォーカス。

農作物の現場をフカボリする 【大地のチカラ】。

今月は葉菜類のキング「キャベツ」をピックアップしてお届けします!

キャベツ…アブラナ科アブラナ属の多年草。 野菜として広く利用される一年生植物。葉が柔らかく癖のない味で様々な料理に使われる。 福岡県の総作付面積は1100ha、 総収穫量は41700トン。

 

季節に合わせた品種が開発され、一年を通して家庭の食卓に欠かせない人気の名脇役『キャベツ』。

葉には甘みがあり、ビタミン類が豊富で特に免疫力を高めるビタミンC、 胃潰瘍を防ぐビタミンUが多く含まれる。

ちなみに焼き鳥屋さんでタレと共に出されるキャベツは九州独特の習慣。

飲酒時にビタミンUを含んだキャベツを食べる事で胃の負担をやわらげる効果があるそうだ。

今回取材に訪れた築上町は福岡県の北東部に位置する町。

瀬戸内海型の温暖な気候で自然災害も少ないため野菜が育ちやすく、かつてはレタスが特産品だった時代もあった場所だ。

「昔は大手企業の工場勤務をしながら兼業で農家をやっているところも多かったけど、だいぶ少なくなりましたね」と教えてくれたのは株式会社ファーム赤松の代表、赤松秀年さんだ。

築上町で代々続く農家で10年前に法人化。

現在は息子の健人さん含め3人の社員と100人の外国人実習生でキャベツ、レタス、グリーンリーフなどの生産を手掛けている。

今回撮影させてもらったキャベツは年間で1000トンを超える収穫量。

量だけ聞くとすごい!と思うが、その背景には慢性的な人手不足や、肥料を始めとした原価の高騰など様々な課題があるそうだ。

赤松社長はその課題解決のために、自ら海外へ出向き優秀な実習生を招いたり、流通の好条件を引き出すために取引先と交渉したり、自社配送の環境を整えたり、日々改善のために奔走する。

「状況が変わるのを待つだけでは何も進みません。

農業をビジネスとして確立するために法人化したので、私の仕事も人材育成や仕組み作りにシフトしてます。

就農者を増やすだけでなく、農業が継続できる仕事になるようにこれからも良い事例を作っていきたいですね」。

赤松さんの畑で採れたキャベツを使用した「塩こんぶキャベツ」

社長は現在52歳だがすでに事業継承も視野に入れているそうだ。

「私の仕事はたまに来て口を出す程度にしたい。

私自身の人生も楽しみたいからですね(笑)」

そう話しながら収穫したキャベツの立派さ。

この出来が若い就農者たちの良いお手本になるのだろう。

株式会社ファーム赤松 取締役社長 赤松  健人さん

築上町で代々続く農家で10年前に法人化。キャベツを始め、スイートコーン、レタス、白ネギ、ブロッコリーなどを生産している。 野菜はJAふれあい市場、 メタセの杜などに出荷しており品質の良さには定評がある。

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