【福岡の企業】今伝えたい環境のこと、未来のこと、命のこと。<TAMOTSU Group>
TAMOTSU Groupの想い
福岡で唯一無二の商品を作っている会社「TAMOTSUグループ」会長による連載企画。今伝えたい環境のこと、未来のこと、命のこと。
正しいことを行ない、生きている方々が幸せになれるように導くことが私の仕事です。
環境改善で地域に貢献する《TAMOTSU Group》
「想像力と発想力で商品の開発をするのが好きでしたし得意でした。今でも、街を歩いていても、こうしたらもっとよくなるのにとか、こうすればエネルギーを削減できるのにとか考えますね。その思いは子ども時代からあったようで、おもちゃを見ても『こうすればもっとおもしろくなるのに』と考えてました(笑)」と語る山下会長。長きに渡って物づくりに携わる時間を過ごされている。
山下会長は会社員時代にファインセラミックス(簡単に言えば非常に精密な磁器のような素材)の研究・開発に従事。独立後、その経験を生かして初めに生み出したのは、車のマフラーから排出するCO²を削減する商品だった。水力・風力・太陽光発電システムなども手がけた後、山下会長の原点であるファインセラミックス技術を使った商品《保のゼロ》を取扱う《株式会社TAMOTSU》、さらに《LABO棺》を取扱う《株式会社e・LABO》を設立した。
「《TAMOTSU Group》として30年以上に渡り、環境を改善することで地域に貢献できる商品づくりを目指しています」。
SDGsという言葉が流行する前から、山下会長は自然環境の保全に関する研究開発に取組まれているのだ。昨年7月にSDGs推進都市である北九州市などを主催として行なわれた『エコテクノ2023』〜地球環境ソリューション技術展・エネルギー先端技術展〜には、数百社の出展の中『次世代に向けた環境技術枠』で選定された4社の1社として参加している。
地球環境と人の尊厳を守る『保のゼロ』と『LABO棺』
《TAMOTSU Group》が開発・販売を手がけているオリジナル商品は2つ。
強消臭・強脱臭効果や腐敗抑制効果のある『保のゼロ』と日本初の特許製品・金具類及び金釘無しの木製棺『LABO棺』だ。どちらも地球環境とともに、“人の尊厳”を大切に想う心から開発された。「父を見送る時にも目の当たりにしたのですが、腐敗を防ぐため、棺の中にはドライアイスが詰められ、遺体は冷たくかたくなってしまいます。そして、ドライアイスは二酸化炭素の固体ですから、当然CO²を排出します。どうにかできないのかと考えた時、どちらもセラミックスで解決できるのではないかと思ったことが『保のゼロ』開発のきっかけです」。
そして『保のゼロ』が全国にゆっくりと広がっていく中、山下会長は火葬場が抱える問題とそこで起きている衝撃的な事実を知ることとなった。
「1つの棺には150本もの金釘や金具などの金属が使用されています。火葬の際にダイオキシン類がする原因となり、燃え残った金属は産業廃棄物になります。また、金釘や金具は飛散して亡くなられた方の顔や身体を傷つけているのです。これらを知ったことが、金釘・金具を使わない棺『LABO棺』を開発したきっかけとなりました」。
山下会長が目指すのは、決して“売れる”“もうかる”ための商品開発ではない。
みなさんの幸せを願う《TAMOTSU Group》
新しい商品を送り出そうとする時、開発そのものに必要な時間と労力も甚大だが、世の中に受け入れてもらうことも大きな課題となる。
既存の考え方をくつがえして、新しい物を採用してもらうことは容易ではないのだ。山下会長もこれまで大変なご苦労をされてきたが、難関を突破する原動力は何なのだろうか?「正しいことを続けていれば、だれかが見てくれている、いつか世の中に認められるという信念があります。正しいと思うことはやらなければならないのです。だから、困難であればあるほど、ポジティブになりますね(笑)。
私たちは、1つの会社で取扱う商品は1点を前提にしていますが、1つの商品だけで長く会社を維持するのは難しいこと。しかし『保のゼロ』は既に30年。正しいものは残ることを確信しています。
そして、私は常に経営者でありたいと思っていました。
私が考える経営とは“経”を営むこと。“経”はお経=お釈迦様の教えであり、その根幹は“禅”しいことを行ない、日々自分と向き合い反省し一つひとつのことを丁寧に…。回りの方々が幸せになれるように導いていくことが経営者の仕事であると、いつも自分に言い聞かせています」。
地球環境の改善に貢献を続けてきた《TAMOTSU Group》。
これからもその方向性に揺らぎはない。「私が築きあげたものを次の世代を担う若い方々に伝えること、私自身もずっと目指してきたみんなを幸せにする経営者を育てることが、これからの私の役目だと思っています」。山下会長の想いはさらに広がり続けていく。
お話しくださったのは、
TAMOTSU Group 会長 山下健治さん
鹿児島県出身。半導体の製造をはじめ各種産業に欠かせないファインセラミックスに関する研究開発に従事後、独立。
1989年にご遺体保全と環境保全に配慮した商品『保のゼロ』を取扱う《株式会社TAMOTSU》を、2018年に金具類及び金釘無し棺《LABO棺》を取扱う《株式会社e・LABO》を設立。
【今月の格言】
一歩一歩、前進する力。
一つひとつの足跡は他人では残せない、
自分の信じた生き方や信念を貫くことが
真の足跡となり糧となる
TAMOTSU Group
株式会社TAMOTSU
[所] 福岡市中央区大名2-9-29
[TEL] 092-406-2318
[HP] https://www.tamotsu.work/
[Instagram] @tamotsu_2022
《TAMOTSU Group》は2つの商品に特化してよりよい世界を目指しています。
『保のゼロ』
清らかな空気の中でお見送りを
非常に小さな無数の穴を持つHBセラミックスが化学物質を吸着し、棺に入れるだけの簡単な作業で故人様を守る。売上の一部は植林など地球の環境保全活動に貢献
『LABO棺』
金具類および金釘無し棺
『LABO棺』天九(てんきゅう)シリーズは『天翔』『天想』その他数種類が用意されている。間伐材を使用することで森林環境の改善にも取組んでいる