【フクオカ・メイド Vol.7】い草織物メーカー/ in STYLE
【連載企画】フクオカ・メイド vol.7
フクオカ・メイドのモノに注目し、その現場を訪ねる企画。福岡県の特産民工芸品「掛川織」の文化を継承する、い草織物の工場を訪ねました。その名の通り鮮やかで美しい「花ござ」をはじめ、インソールやディフューザーなど、“い草”の汎用性を活かした製品は多岐にわたります。
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畳やござの素材として古くから日本人の生活に寄り添ってきた”い草“。改めてその機能性に着目してみると、消臭性や抗菌性、弾力性を備え防音効果にも優れていて、心地良い清涼感もあり…と、かなりハイスペック。
大川市に工場を構える『インスタイル』は、”国産い草“の高い汎用性を活かし、多用途な製品作りを行なっています。「元々は祖母が家内工業で掛川織の職人をしていました。その後を継いだ父親が昭和40年に工場を作り、機械を導入したんです」。工場の成り立ちをそう教えてくれたのは、代表の石橋直樹さん。
「平成に入った頃から”い草“の輸入量が増えて、徐々にい草の生産者や掛川織の職人が減ってしまいました。今では市場の8割以上を外国産が占めています」そんな状況に危機感を抱いた石橋さんが『インスタイル』を立ち上げたのは、’18年のこと。
「国産い草で作ったござは”自立“します。中身がしっかりと詰まっていて、芯があるからです。質の良い”い草“を使った製品には必ず需要があるはずですから、我々がその価値を守っていかないと」。そうして生まれた製品は、”い草“の機能性はそのままに、昔ながらのイメージを塗り替える斬新な配色とグラフィックを特徴としています。
人気の『タタミインソール』をはじめ、マスクケースやポシェット、カップスリーブやベビーカーシートなど、改良を重ねながら、時代に沿った商品を開発しています。
最近はインバウンド需要を見込んだ温泉旅館が、客室や廊下のしつらえにい草織物を取り入れるなど、その需要はさらなる拡大の予感。〈変革の後に残るものが、伝統として継承される〉…『インスタイル』がモットーとしてかがける言葉です。まずは小物から、身近にい草製品を取り入れて、そのポテンシャルを試してみて。「伝統」と「変革」、その言葉の意味を感じることができるでしょう。
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in STYLE製品の取扱店 『いぐさブティック 草』
所:大川市中木室23-1
☏:094-487-7432
営:11:00~17:00
休:火・水曜
P:あり(8台)
カード/可、QRコード決済可
https://igusa.shop