上毛町「小さな神様、おりてきた 伝え継ぐ里神楽」
神楽(かぐら)とは…
五穀豊穣や無病息災を感謝するため、神座(かみくら)に神様を招き舞を奉納する行事です。「神楽」は「神座」が転じたものと云われています。京築地域の神楽には、神事としての「式神楽」と、氏子が奉納料を払うことで希望する演目を舞ってもらう「アゲ神楽」があります。
上毛町の子どもたちにとって「神楽」は憧れの存在です。小さな子は鬼を見ただけで泣き出すものですが、神楽舞台の最前列でかじりついて観ているのはたいてい地元の子どもたちで、彼らにとって鬼はヒーローなんです!✨
上毛町には「唐原神楽講」、「友枝神楽講」、「成恒神楽講」の3つの神楽団体があります。いずれも明治期に始まった神楽講なのですが、舞手の高齢化と高齢者不足は深刻な問題で、神楽を絶やさないためにも「子ども神楽」を結成しています。子どもたちの舞はぎこちないものの、小さな鬼が舞う姿はとても可愛らしく人気があります。
唐原神楽講の場合、子ども神楽は中学生まででいったん卒業します。進学や仕事など、たとえこの地でこのまま神楽を続けられなくなっても、いつまでもOBとして顔を出しやすいからです。
神楽は春や秋、正月、季節の節目のいたるところで催され、その日はいろんな人が帰ってきます。神楽があれば懐かしい顔にもまた会える。小さな鬼もやがて大きな鬼に、鬼を見ていて泣いていた子もやがて親になる。神楽がある限り、舞台の周りには人が集まり、絶えることなくその思い出は繰り返され、未来に引き継がれていくことでしょう。