広川町「簾が魅せる日本の美意識を、新たな表現で」
平安時代の絵巻物にもよく描かれているが、簾には日本人が好む独特の奥ゆかしさが備わっています。高貴な方や女性と簾ごしに話をする場面もよく時代劇ドラマで見る光景ですよね!そんな奥ゆかしい簾を婚活パーティで使おうという企画があるんだとか。簾で隔てた人の姿は薄ぼんやりして良く見えません。きっとそのもどかしさが男女の気分を盛り上げることでしょう。
大正元年創業の「鹿田産業」は伝統工芸「八女すだれ」をつくる老舗メーカーです。ここで作られるのは日本のおもてなし文化である“室礼”から派生した「お座敷簾」と、神社仏閣で使われる“結界”としての「御翠簾(おみす)」です。
「簾をもっといろんな場面で使ってみて欲しいと、イベントにも貸し出しています。最近では“こどもばんぱく”に簡単に組み立てられる簾の部屋を提供しました。これを僕は絶景スポットに立てて使ってみたいんですよね」と、鹿田産業・中村さんは話します。
最近では隈研吾氏がデザインする店舗空間に使われるなど、新たな使い方で簾の可能性も広がろうとしています。中村さんはその可能性を求め、いろいろなイベントに顔出しては簾の未来形を探す毎日です。簾が醸す独特な世界観は、きっとどんなカタチの未来にも扉を開けてくれるに違いないでしょう。
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[所]福岡県八女郡広川町太田428
☞What’s the ひろかわ新編集
ローカルへ行くと耳にする「ここには何もない」
本当にそうでしょうか?
そうした見過ごしがちのあれこれを、
外部のプロフェッショナルの力を借りつつ
再編集していくプロジェクトです。
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