トップに
戻る

【インタビュー】iri「やりたいことをやって、結果的にそれがカッコいい作品になったというのが一番正解なのかな」

若手のアーティストの枕詞として形容しがちな「新進気鋭」「最先端」といったフレーズ。自身もそういったイメージに思い悩んでいたというiriが、揺れ動いていた24歳から25歳の感情を発露した最新作『24-25』をリリースした。

―福岡でiriさんと言えばSunset Liveでのライヴが思い浮かびます。
iri:毎年出させていただいているので、凄く好きなフェスです。出るたびに毎回海で泳ぎたいなと思うんですけど、着替えを持ってきてなくて(笑)。あとは、グラフィティアーティストのKYNEくんにジャケを書いてもらったりもしましたね。彼が運営する薬院の『ON AIR』にはまだ行けてないんですけど。
―新曲ですが、iriさんの葛藤や不安から生まれた楽曲だとか。

iri:22歳でメジャーデビューして、ライヴも制作も休みなく続けて、自分と落ち着いて向き合う時間や余裕がなかったんですけど、もうちょっと自分らしい作品を作りたいと思い始めたのが24~25歳の時で。去年は自分が作ってきた作品やライヴのスタイル、自分の音楽について凄く考えた年でした。
—自分らしさを見失いそうになったり?
iri:そうですね、まず今何がやりたくて自分にどんな音楽が合っているのか、何を伝えたいのか…そういったことを1から考えるうちに、やりたいことが明確になっていきました。
―10代の時に思い描く大人像みたいなものがなんとなくあるじゃないですか。「結婚とかしているかな」みたいな。実際に20代の大人になってみて、思い描いていたものとギャップを感じる部分はありますか?
iri:うーん、思ったより大人じゃないというか(笑)。やりたいことをただやっているという感じなので。結婚もしてみたいと思うけど、全然今じゃないし。でも周りは結婚していて子どももできている人もいるけど、自分は今は作品を作ってライヴをして、より多くの人に知ってもらってという段階かなと思います。去年、自分や自分の音楽について考えて、こういう音楽が本当はやりたいとか、こういう風にライヴしてみたいとかチャレンジ的なことを今少しずつやってみたりしていて。その決意的なことがこの曲には込められている感じです。
―「明日を乗りこなすために演じる」という歌詞が印象的でしたが、iriさんの中に自身のイメージに寄せる気持ちや、「こういう曲を出さないといけない」ということを考える瞬間もありましたか?

iri:ありましたね。やっぱりイメージがつくじゃないですか。「凄く最先端の音楽を作っている」とか「次はどんなカッコいい曲を出してくれるか」と思われて。カッコいいものを作ろうと思って作っているわけではないのに、「カッコいいってなんだろう」と色々勘違いしちゃう瞬間もあって。とにかく言いたいことを言って、結果的にそれがカッコいい作品になったというのが一番正解なのかなと。今は、とりあえずやりたいことをやろうという方向にシフトしたかな。もっと生っぽいバンドセットで、そのライヴによってできるだけアレンジで違ったパフォーマンスをするというのが自分の中のやりたいことなんです。
―今回、トラックプロデュースではESME MORIさんが参加されていますね。
iri:MORIくんは『Wonderland』という曲も一緒に作らせていただいて、何回か一緒にやっているんですけど、「ゴスペルっぽい感じにしたい」「クラップを入れたい」と話して。あとは初めて女性コーラスを入れてみたり。互いにイメージを共有しながら作っていきました。
―この曲を経て、こんな大人になっていきたいというような思いに変化は?
iri:う~ん、それはあまり変わらないです。自由な大人になりたいですね。ぶっ飛んだ大人になりたいって思っちゃう(笑)。年齢関わらず。良い意味でずっと子どもでいられたら。
―2曲目の『SUMMER END』は身を委ねているだけで気持ち良い楽曲です。
iri:この曲はAbemaTVの『恋愛ドラマな恋がしたい』という番組の主題歌なんですけど、その話があってからの制作でした。番組タイトルを聞いて、トラックメーカーのTAARくんとスタジオに入っている時に恋愛トークをしながら「めっちゃエモい曲作ろう」と盛り上がって作り始めたんです。
―さて、春にはツアーとアルバムのリリースも予定されています。
iri:自分のベースであるジャズやヒップホップ、ボサノバなど昔から聴いてきた音楽がやっぱり好きで。そういう自分の好きな音を次の作品ではやりたいなと思っています。ライヴも少しずつ今までと違ったスタイルでやっていきたいですね。楽しみにしていてください。

【プロフィール】
神奈川県逗子市在住。ヒップホップやジャズ、R&Bをベースに、ソウルフルな低音の歌声が印象的なシンガーソングライター。’16年10月、1stアルバム『Groove it』でメジャーデビュー。’19年3月には3rdアルバム『Shade』をリリースし、5月には自身初となる中国ツアーを開催した。井上陽水トリビュートへの参加も話題に。4月からは全国11カ所を回る自身最大規模のツアーが予定されている。

■LIVE & RELEASE情報

<LIVE>
5月30日#土18:00
#会 DRUM LOGOS
#料 SOLD OUT

<RELEASE>

◎発売中
Single『24-25』
●ビクターエンタテインメント/完全生産限定盤(CD+Tシャツ) 4510円
通常盤(CD) 1210円
7インチアナログ 2200円

SNS運用代行サービス