容姿端麗なクリエイター向けノート、MSI「Prestige14」
容姿端麗なクリエイター向けノート、MSI「Prestige14」
【出典:ASCII.jp】
「1台持ち歩けるノートパソコンがあると、取材や出張の時に便利だな~、第7世代iPad 10.2インチ買っちゃおうかな~」とか思いつつ、家電量販店のパソコンコーナーを巡っていると、目に触れることが多くなったのがスタイリッシュなデザインのモバイルパソコン。今回テストするMSIの14型ノートパソコン「Prestige14」も、キレイなホワイトカラーが目を引く1台になっている。
MSIの14型ノートパソコン「Prestige 14」。対応ショップではカスタマイズ注文も可能で、標準構成の価格は16万8080円になる
「Prestige 14」は、最近増えているクリエイテイブ作業向けのノートパソコンで、重量は1.29kg、バッテリー駆動時間は13時間となる。
13型クラスの筐体サイズに狭額縁の14型液晶ディスプレーを搭載するため、日々持ち歩いて作業することもできる仕様になっている。
そのうえ、スペックは最新の第10世代Coreシリーズの採用など、なかなか魅力的。モデルで若干異なるが、今回触ったPrestige 14(Prestige-14-A10SC-165JP)では、6コア12スレッドCPUの「Core i7-10710U」をはじめ、16GBのメインメモリーに、余裕を持って映像を保存できる512GB NVMe SSDを搭載。グラフィックスにはGeForce GTX 1650 MAX-Q Design 4GBを搭載と、クリエイティブ&カジュアルゲームに使えるバランスいいスペックになっている。
インテル第10世代CoreのCore i7-10710Uや、GeForce GTX 1650、16GBメモリーなどを備えるPrestige 14のPrestige-14-A10SC-165JP
キレイな純白ボディーにシルバーカラーの縁加工が高級感を醸し出している。おなじみのドラゴンロゴもシルバーになっている。某メーカーのように、ここにシールを貼りたくなる
タッチパッド分の縁もシルバーで縁取られている
第10世代CoreとGeForce GTXを搭載する証だが、せっかくの純白ボディーからは浮いてしまう。初期不良交換期間が過ぎたら剥がしたくなる
レビューするPrestige-14-A10SC-165JPは、6コア/12スレッドの「Core i7-10710U」を搭載する
グラフィックスにはGeForce GTX 1650 MAX-Q Designで、4GBのメモリーを搭載している。画質にこだわらなければ、人気ゲーム「フォートナイト」も十分遊べる
Prestige 14のラインナップは3種類で、4K液晶モデルの「Prestige-14-A10RB-255JP」は、MSIストア(https://www.msijp-store.com/)のみの販売になる
Thunderbolt 3でいろいろ拡張可能
インターフェースはThunderbolt 3(Type-C)×2、USB2.0(Type-A)×2、microSDXC/HC対応microSDカードリーダーを装備し、ネットワークはWi-Fi 6+Bluetooth 5をサポートしている。
正面から見て右側面。ゴールドメッキされたイヤホンジャックとUSB2.0×2ポートを装備している
左側面。Thunderbolt 3×2ポート、MicroSDカーリーダーが備わっている。間にある2つの黒い穴は、電源とバッテリーのLEDだ
最大転送速度40Gbpsの高速なThunderbolt 3を2ポート装備しているのはうれしいが、実際は給電に1ポート使用するため、常時利用できるのは1ポートになる。USB 3.0×2ポート、ギガビットLANポート×1、SDカード、Micro SDカードリーダースロット各1基を備えたThunderbolt 3ドックが付属しているので不便には感じないが映像出力端子が備わっていないのは大きなマイナスだ。
クリエイティブ作業に限らないが、ノートパソコン液晶+4K液晶ディスプレーといった環境は珍しくない。出力自体はThunderbolt 3ーDisplayPort/HDMI変換ケーブルを使えばいいのだが、そうすると今度はドックが使えなくなってしまうわけだ。せめてUSB 2.0×2ポートがUSB 3.0であれば、ギガビットLAN変換や、外付けストレージなどに使えるのだが……。
Thunderbolt 3の1ポートは給電に使用することになる
付属のACアダプター。重量は実測429g。持ち歩くにはちょっと重たいが、性能を考えると致し方ない
Prestige 14とマッチするシルバーカラーのThunderbolt 3ドック。USB 3.0×2やギガビットLANを備えている
裏面にはMSIのドラゴンロゴが入っている。通常、この手の付属品はコストダウンのため安っぽい作りなことが多いのだが、これは安っぽさを感じない
そのほか、Windows Helloに対応した指紋認証リーダーと顔認証機能を標準で搭載しており、会社、大学などの出先でパスワード(PIN)の覗き見を心配せずに、ログインできるようになっている。
タッチパッドに備わっている指紋認証リーダー。簡単、安心のログインが可能だ
長文入力も問題ないキレイなキーボード
バックライト内蔵タイプのキーボードを備えるPrestige 14。刻印部と周辺がホワイトに薄ら光るのはなかなか見た目が良い。
肝心なキーボードの仕様はキーサイズ約16.7mm、キーピッチ約18mm、キーストローク約1.5mmで、普通に長文を入力できる打ち心地になっている。なお、一部のキーは小さくなっているが、使用頻度の低めのキーなので問題ないが、バックスペースや右シフトキー、エンターが隣のキーと、ほぼすき間なく並んでいるので、ここは慣れるまで誤打しやすかった。
標準的なキーピッチとキーストロークで、普通に長文を打てる
キーボードはバックライトを備え、明るさはfn+ファンクションキーで消灯のほか、3段階で調節できる
横に広いタッチパッドの操作性は良好で、ファイルの複数選択や写真のトリミングなどといった範囲指定や、細かな操作もスムーズに行なえた。好みは分かれるがパッド周辺のクリック感は重めで、しっかり押し込まないと反応しないようになっている。カーソル操作中に誤ってクリックしてしまう心配はないので、Prestige 14が1台目のノートパソコンの人もすらすらと円滑に操作できるだろう。
好みや作業に合わせてパソコンをカスタマイズ
Prestige 14は、MSIノートパソコンではおなじみの統合システム管理ソフトウェア「Creator Center」を搭載しており、簡単にファン回転数やCPU負荷、温度などの監視や設定変更が可能になっている。
特筆すべきは、インストールしたクリエイティブ系ソフトウェアごとに、CPUスレッド数の割り当てやアプリケーションの優先度などを変更できるクリエイター向けに特化した機能が搭載されていることだ。
また、液晶パネルの輝度や色温度の変更ができる「TRUE COLOR」が導入されているのもポイント。別途SpectraCal C3などのハードウェアを用意すれば、TRUE COLORでカラーキャリブレーションも可能だ。
「Creator Center」と「TRUE COLOR」は常駐しており、パソコン初心者かつ、これから映像加工などをはじめる人でも簡単に設定できる。
「Creator Center」で、CPUやGPU、メモリー使用量などをはじめ、ストレージ使用量や、ファン回転数などを確認できる
「システムチューナー」。DPIサイズやWindowsキーの有効無効、システムパフォーマンスなどを設定できる
インストールしたクリエイティブ系ソフトウェアが自動で認識されるクリエイターモード
クリエイターモードでは、アプリケーションごとのCPU割り当てなどを変更し、システムを最適化できる
「TRUE COLOR」では、ブルー軽減、sRGB、デザイナーなど、6つのプリセットが用意されている
不安のないパフォーマンスを発揮
肝心要のパフォーマンスは、スペックからしてまったく不安のないところだが、CG系ベンチマークや動画エンコードで、実際のパフォーマンスを見ていこう。
「CINEBENCH R20」、「V-Ray Next Benchmark」、「Blender」といったCGレンダリング系に、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使った動画エンコードや「Adobe Photoshop Lightroom Classic」でのRAW→JPEG現像。そしてPC全体のパフォーマンスを見る「PCMark 10」を実行してみた。
各テストは最も高いパフォーマンスが発揮できるように、Creator Centerのシステムチューナーで高性能を選択している。
「CINEBENCH R20」のスコアー。6コア/12スレッドだけあって高いスコアーを発揮している
まずはCPUの性能を見るのに最適な「CINEBENCH R20」だが、クリエイティブ作業に効く、マルチスレッドは2348スコアー、シングルスレッドでも438スコアーと非常に優秀で、デスクトップ向けの6コア6スレッドCPU「Core i5-9400」と、ほぼ同スコアーになっている。Prestige 14は13型クラスのボディーに、現行デスクトップCPUと同等クラスの性能を備えていることになる。
CGレンダラー「V-Ray」をベースにしたベンチマークの「V-Ray Benchmark」。CPUで実行した際のスコアー
「V-Ray Next Benchmark」は「CINEBENCH」と同じく独自の指標で性能を評価するベンチマークソフトだ。ここでもCPUテストで7552スコアーと十分高い結果を出している。MacBook Pro 2018の13インチモデルでのスコアーが5600前後なので、それを上回るCPU性能であることがわかる。
長時間高負荷のかかるクリエイティブ作業も安心
続いてはCGレンダリングソフト「Blender」と、エンコードソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」で見ていこう。
「Blender」で、「Gooseberry Production Benchmark」を実行。CGレンダリングの完了に61分9秒要した
「TMPGEnc Video Mastering Works 7」で、約12分の4K動画をH.265 2パスでフルHDに変換すると、変換に64分9秒かかっている
さすがに12コア/24スレッドCPUのAMD「Ryzen 9 3900X」でも処理完了に約21分必要とする「Blender」の「Gooseberry Production Benchmark」では、レンダリング完了までに61分が必要になっている。
高負荷状態が継続し、スレッド数と動作クロックが処理完了時間に影響する4K→フルHDへのx265、2パス変換を行なった「TMPGEnc Video Mastering Works 7」も同じ傾向で完了までに64分かかっている。
こちらもデスクトップ向けのメインストリームCPU最高峰クラスのRyzen 9 3900Xからは2倍近く時間がかかっているが、CPUの放熱が追いつかず処理中に性能が落ちてしまうことが多々あるノートパソコンとしては十分優秀と言える。
処理中のファン駆動音は、うるさいと感じるレベルまでアップしてしまうが、高負荷処理が数十分継続した時点でも2.8GHz程度の高クロックを維持していた。クリエイターとしては、騒音が大きくてもいいから処理時間が短いほうがありがたいのではないだろうか。そういう意味でも、しっかりとユーザーのニーズにマッチしているように感じた。
旅先などでの写真取り込みも用意
CPU負荷的にはグッとダウンするが、「Adobe Photoshop Lightroom Classic」で、200枚のRAWデータをJPEGに書き出した際は7分4秒で完了した。つまり1枚あたり約2秒なので遅いと感じることはなかった。
SDカードリーダーを備えるThunderbolt 3ドックもあるので、旅行先で撮影した写真を宿泊先で取り込み、家族や友達、恋人と楽しむといったことはもちろん、編集・加工することもストレスなくできると言える。また、Adobe系ソフトはグラフィクス機能のGeForce GTX 1650を使ったパフォーマンスアップも、しっかりと効いていた。
「Adobe Photoshop Lightroom Classic」で、解像度ドットの200枚データのRAWをJPEGで書き出し
「Adobe Photoshop CC」の環境設定。パフォーマンスの項目でグラフィックス機能が認識されているか確認できる
補正などを実行すると、瞬間的だがGPUにも負荷がかかり、CPUの処理を手伝ってくれる
日常使いもゲームも問題なし
Prestige 14が高い性能を備えているのはここまでのテストで十分わかっているが、「PCMark 10」に加え、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」や、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」の結果をチェックしていこう。
PCMark 10のスコアー
「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコアー。フルHD、最高品質で実行
「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果。NVMe M.2 SSDだけあって、リード3000MB/sec台、ライト2000MB/sec台を発揮
「PCMark 10」では総合4509スコアーを記録し、日常使い想定のEssentialsテストは8724スコアー、ビジネスアプリのProductivityテストは7326スコアー、写真や動画の編集になるDigital Content Creationは3892スコアーと、いずれのスコアーも優秀になっている。
「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」も、GeForce GTX 1650 4GBを搭載しているだけあって、フルHD、最高品質で“非常に快適”指標を記録。平均フレームレートは55fpsと、60fpsを切ってしまうが快適にプレイできるレベルだ。
これからいろいろと始めたい人に最適
会社や学校ではワード、エクセルを使い、自宅では4K液晶を組み合わせて、高精細、大画面でクリエイティブ作業。さらに旅先に持っていって、一眼カメラや、ドローンで撮影した映像を、その場で編集、YouTubeなどにアップといったことまで考えられるパフォーマンスを発揮したPrestige 14。1台でいろいろな用途に使いたい人は、麗しい純白ボディも含め、一度店頭で触ってみてもらいたい。
出張や旅行にも気軽に持っていけるサイズとデザインで、高パフォーマンスなのがグッド。他人に自慢できるかっこいいWindowsノートを探している人にもオススメできる
▼ 詳細はこちら ▼
https://ascii.jp/elem/000/001/996/1996074/
▼ こちらからご購入いただけます ▼
https://https://shop.applied-net.co.jp/html/page149.html