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Fuku Spo – アビスパ福岡 /山瀬 功治

山瀬 功治(Yamase Koji)
ミッドフィルダー・背番号 33

全員守備、全員攻撃の中で、先を読みながらプレーする

J1から降格して、今季はJ2での戦いとなりますが、選手一人ひとりのクオリティは高いものがあります。でも、良い選手が11人揃っているだけでは勝てません。長いJ2のシーズンを戦い抜き、J1自動昇格となる2位以内に入るためには、その選手たちをどう組合せていくかが重要なポイントになると思います。

今年のアビスパは、元々ある組織だった守備を継続しながら、現代サッカーでは当たり前となっている全員守備、全員攻撃のサッカーをベースに、個のアイデアを加えていこうとしています。これがうまくできるようになると、サポーターのみなさんが見ていて安心感を持ちつつ、ワクワクするプレーが出てきますし、チームとしてステップアップができると思います。

僕はチーム最年長ですが、ピッチに立てばそれは関係ありません。僕にできることは練習でも試合でも全力を出しきることだけです。あとは、強いて言えば人より長くサッカーをやってきていますので、経験を生かして次のプレーを読んだり、気を使えたりする部分は多いかなと思います。それを出していければいいですね。

 

焦らないようにしたリハビリ。チーム状況が悪い時に力を出したい

変化、転機としての出来事は大きなケガもしましたし、移籍、日本代表に選ばれたこともそうです。でも、基本的な考え方として、日々転機だと思っています。「今日は昨日よりも良くなるために、明日は今日よりもさらに良くなるために」と考えてやっているので、それ自体が転機です。「今日と同じことを明日やればいい」と思ったことはないので、そういう意味では日々、変化だし転機です。練習でも、体のケアなどでそうした考えがベースにあります。その中で、さっき言ったような出来事が起こると、より深く考えるようになりますね。そうやってきたからこそ、この歳までプロでいられると思います。

そもそも僕は決してうまい選手ではありませんでした。高校時代、全国選手権に出たわけでもありませんし、僕が全国の強豪校にいてスタメンで試合に出られたかといえば、そうじゃないと思います。いろんな巡り合わせなどがあったお陰でプロになれました。しかし、プロになるのと、プロで成功するのは違うスキルだと思います。プロになってからは、「どうしたら試合に出られるか?」、「どうしたらプロのレベルについていけるのか?」と必死に考えました。そういう意味では知恵を絞ってやってきた自負はあります。

最近の大きな変化としてはプレースタイルですね。ポジションが変わったことや年齢もあって、今までやってきたプレーを出すのが難しくなってきました。でも、それをネガティブに捉えず、この歳になってからできることもあるので、今の自分はどういうプレーをすれば一番力を発揮でき、チームに貢献することができるかということを考えて変化させました。周りのチームメートを使ったり、気を利かせて相手が攻めてきそうな場所を先読みして守ったりです。そこにボールはなくても、見えないところでどんなプレーをしているのかもサッカーの醍醐味です。そういう目立たないプレーは経験があるからできると思うので、目立たないかもしれませんが、今の自分の体力や経験を考えてできることをやろうという風に変わりました。アビスパでは若い選手もベテランの選手も試合に出ていますが、それぞれできることもあれば、できないこともある。チームスポーツですから、出ている選手同士で補い合うこともポイントです。若い選手の勢いに僕らが引っ張られることもありますし、持ちつ持たれつですね。また、サポーターの応援で乗ることももちろんありますよ。例えば、相手をドリブルで抜くとスタジアムが沸きますよね。それだけで僕はテンションが上がって勢いがつきます。サポーターの方が思っている以上に応援は選手の力になります。

大きなケガを何回も負って、長いリハビリも経験しました。でも、治るとわかっていますし、サッカーを続けるためにはリハビリをがんばるしかないですよね。リハビリ中は、「サッカーをやりたいから早く治そう」、「復帰した後により良いパフォーマンスを出したいから今頑張ろう」と思って取り組みました。それは試合に向けて、自主練習をしたり、体のケアをすることと同じことです。だから、ケガをしていてもしていなくても、明日はさらに良くなるために、今の自分にできることを最大限やるしかないんです。

 

 

スタジアムが一体となる雰囲気を 一度、生で味わってもらいたい

僕は久しぶりにサッカー専用スタジアムでプレーできていることもあり、みんなで盛り上がっている雰囲気はいいなと感じています。僕らがいいサッカーを見せたり、良い結果を出すことが大前提ですが、良い雰囲気の中でプレーするのは気持ちいいですし、観戦する方もそうした雰囲気に身を置くことはそんなにあることじゃないと思います。レベルファイブスタジアムの盛り上がった雰囲気の中で、サポーターのみなさんと一緒に1年間戦っていきたいと思います。どのスポーツでも、生に勝る臨場感はないと思います。生でサッカーを見たことがない方には一度味わってもらいたいですね。ゴールシーンはもちろんですが、惜しいシュートや面白いプレーに対してもスタジアム全体が一体となって沸く瞬間を体験してほしいですね。

※シティ情報Fukuoka 2017年6月号本誌掲載

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