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Fuku Spo – 福岡ソフトバンクホークス/工藤 公康

工藤 公康(Kudo Kimiyasu)監督・背番号81

 

スローガン「もう1頂!」には 目の前の1試合に集中して 戦う気持ちが込められている

今シーズン、私たちは「もう1頂!(もういっちょ)」というスローガンを掲げて戦っていきます。昨年は、目の前のカードを勝ち越していくという戦い方を選手がきっちりこなしてくれたことでリーグ優勝することができましたし、短期決戦も同じ気持ちで戦って日本一になることができました。それは先を見据えてやったというよりは目の前の1試合に集中して戦った結果の積み重ねです。自分たちの足元を見て1つ1つ進んでいくことが大事だと改めて考えました。その「1つ1つの積み重ね」という気持ちを常に忘れずに、選手が心を1つにして、ファンと一体となって戦っていこうという思いがスローガンには込められています。

 

レギュラーに指名した選手には 「1年間試合に出る」という自覚をもってほしい。

「連覇だ、連覇だ」と先を見据えるのではなく、まずは1試合1試合を大事に戦っていくこと。これまでと同じように、目の前のカードで勝ち越すことを目標にすることで、先を見据えることなく1つ1つ戦っていきたいと思います。1つ勝ったら「よし、もう1頂!」という具合に、試合ごとに積み重ねていって気づいたら一番上にいたという戦い方をしていきたいですね。今年はキャンプイン前にレギュラーを発表しましたが、レギュラー選手には「1年間投げ続けるんだ、1年間試合に出続けるんだ」という自覚をもってほしいと思います。キャンプも始まりましたが、自主トレをきちんとやってきた選手がほとんどで練習も順調ですよ。

 

今年は球団創設80周年。これからも強い球団であるためのカギになるのは投手力。

今年は球団創設80周年。僕が西武に入った時のホークスは優勝争いするようなチームではありませんでした。僕がホークスに移籍した頃から、ようやく個人の成績をどうやってチームの成績につなげるかという考え方に変わり始めて、選手の意識が徐々に変わったから優勝できたと思います。そして今、また福岡で監督をやらせていただいていることには縁を感じますね。強くあり続ける、勝ち続けることはもちろん大事ですが、そのためのチーム作りをし、そのための試合運びをするためにどこが一番カギになるのかといえば、やはり投手力だと思います。まずはそこを作っていくことがチームの安定にもつながるし、最終的に勝つということにもつながると思っています。

 

ファンのみなさんに見ていただくことで、選手は本当の力を発揮する。

監督としては、目の前の試合をどう勝つかを考えるのはもちろんですが、どうすれば将来的にこのチームがうまくいくのかも考えなければいけません。むしろこの先のチーム作りを考える時間の方が多いのかもしれません。プロ野球には必ず世代交代が起こってきますが、そこをスムーズにやるのは本当に難しいことです。昨年はシーズンで若い選手が活躍してくれて、クライマックスシリーズや日本シリーズではベテランが力を発揮してくれましたが、毎年そううまくいくとは限りません。ベテランの力が必要な時もあるし、若手を育てるために若手ばかりで臨んでも成績を残すのは難しいと思います。ただ、王会長に監督として呼んでいただいた以上は、その恩に報いるようなチーム作りをして次の監督に受け継いでいかないといけないという責任は感じています。そんなチーム作りのために必要なのがファンのみなさんの応援です。お客さんに見られるからこそ、選手は「いいところを見せよう」と力を発揮します。若い選手は特にそうだと思います。みなさんが球場に来ていただくことで、選手は「ファンに支えられている」ということを実感できるので、ぜひ足を運んで選手たちを叱咤激励してください。

※シティ情報Fukuoka 2018年3月号本誌掲載

 

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