【ふるほんの旅】熊本ふるほん巡りの旅おすすめ3店
もうすぐ年の瀬。今年もあっという間でしたね。
年末年始、あなたはどんなふうに過ごしますか?
見たことのない本を買って、どっぷりとその世界観にハマるのも楽しい過ごし方かもしれませんね。
今回は良い古本屋が集まる熊本エリアにて、ふるほん巡りの旅にご案内します。
知らない街で、知らない本に出会う旅にいざ出発!
《 熊本ふるほん巡り01 》古本タケシマ文庫
熊本市中心部、浄行寺交差点から入ってすぐ、大きな鳥居の足元に佇み、赤いポストが立てかけられたちいさな店。
『古本タケシマ文庫』には、てっきり“タケシマさん”がいるのかと思っていたら、出迎えてくれたのは店主の菅原さん。店名は彼のおじいさんから取った名前だそう。
おじいさんの蔵書と仕入れた本が入れ替わり立ち替わりで循環し、今では菅原さん的おもしろい(ちょっと変わった)本で溢れる店内。
いくつも設けられた均一棚には、思いがけない出合いの種が見え隠れする。
実は、かなりの映画好きな菅原さん。
熊本市現代美術館で行われている月曜ロードショーの映画のセレクトを担当しているのだとか。映画の余韻に浸りながら、タケシマ文庫を目指して坪井まで散歩してみるのもいいかも。
古本タケシマ文庫
住所 熊本市中央区坪井4-4-27
電話番号 090-8353-7662
営業時間 13:00~19:00
定休日 水曜・不定 P 1台あり カード 不可
《 熊本ふるほん巡り02》汽水社
「昔は苦手なものもありましたが、色々聴いていくうちにジャンルの垣根みたいなものは溶けてしまい、今は雑食的に何でも聴きますよ。未知のハマる音に触れた瞬間が何より楽しくて…って古本屋の取材なのに単なる音楽オタクの語りになってません?大丈夫ですか?(笑)」
こう話す『古書 汽水社』の店主・佐藤さんは、レコード愛にあふれる人だった。
「本って凄いんですよ。あらゆる物事が本になり得るんです。そしてその1冊1冊にそれぞれの書き手の想いや考えが詰まっている。そんな無数の本の中身を全て知ることは不可能です。でも、だからこそ面白い。知らないことがまだまだあるってワクワクしませんか?時間をかけて集めたものを手放すのは寂しくもありますけど、今は集めることより知ることがとにかく楽しいんです」
そんな彼が集めた本やレコードに共感した人から譲られたモノも少しずつ増殖し、“汽水域”の生態系はますます活性化するばかり。
仲間になってくれる本やレコードの買取も大歓迎とのこと。
汽水社
住所 熊本市中央区城東町5-37 1階
電話番号 096-288-0315
営業時間 11:00~21:00(延長営業あり)
定休日 第2・4木曜 P なし カード 不可
《 熊本ふるほん巡り03 》Octopus Books ひなた文庫
日本一長い駅名を持つ「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」という駅の駅舎に週末だけ現れる古本屋があります。
なぜ、店主はこのちょっと変わった八角形の無人駅舎で古本屋を営むことになったのか。
お話を伺ってきました。
「ひなた文庫」を営むのは。南阿蘇村立野出身の中尾友治さんと、岡山県出身の妻、恵美さん夫妻。広島の大学で出会ったという二人は、友治さんが大学院を卒業し、実家の家業を継ぐために熊本へ帰ってくるタイミングで一緒に移住してきたのだそう。
昔から本が好きだった恵美さんは、本に携わる仕事を希望していたがなかなか求人がなく、南阿蘇には気軽に行ける本屋もなかったので、「自分たちでしよう!」と一念発起。駅舎が借りられることを知り、役所に申請したところ許可がおり、トントン拍子で開店に至りました。
熊本地震で休業を余儀なくされるも、地震後1年後には再開。
「この駅はまだ断線中で列車はこないけど、少しでも多くの人に南阿蘇に遊びに来て欲しい。地域の人も旅の人も集える場所にしたい」と話す友治さん。
未だ地震の爪痕が残ったまま復興作業が続く阿蘇地方だが、それでもこうして温かく迎えてくれる場所があります。
つい長居したくなってしまう、そんな古本屋さんにぜひ遊びに行ってみてください。